出版社内容情報
LPレコードの製造プロセスによる音質の違いを紹介することで,読者にそのレコードの音楽背景までも垣間みる想像力を働かせる.
LPレコードの蘊蓄本『LPレコード再発見』,『LPレコード』を上梓してきた筆者が,改めてLPレコードの奥深さを紹介し,LPから最大限情報を引き出そうと努力してきたプロセスを紹介する. LPレコードの元となるテープ音源に同じものを使用しても,オリジナル盤と再発盤とでは音が違うのはもちろん,音楽の表現力まで違うことはよく起こることで,マスタリング,製盤,ジャケット,すべてに目を配り,それらの差異がなぜ起きているのか,再生音から想像力逞しく考察する. 名盤といわれるLPにおいて特にこの現象が顕著で,筆者は数多くの盤を手に入れて,この現象の解明に時間と費用をかけてきた.本書はその研究結果を十全に発表したものである. レコードプレーヤーの綿密な調整もまた重要なポイントで,わずかな調整でも疎かにできないことをも示唆している. 音楽ファン,オーディオファン必携の一冊である.
最後のアナログ盤『カインド・オブ・ブルー』,三人の王字様,米国の「戴冠式」(デジタルリマスターとは),モノーラル盤とステレオ盤,ウィーンの香り,『ブランデンブルク協奏曲』,セロニアス・モンクの七変化,適性語追放,二十年代のクレッセント・シティ(SP復刻のオムニバス盤),「凸版印刷」か「オフセット印刷」か,ドルフィー,最後の日々,テープは歪む(テープレコーダーの問題点),『THE THREE』を聴く,リアルタイム・ジャズ喫茶,ナット・キング・コールの『スターダスト』.
【著者紹介】
1964年,東京教育大学芸術学科卒業.デザイン会社を創設し,雑誌,書籍の立ち上げからデザインに至るまで携わる.その傍ら,LPレコードのジャケットデザイン,制作にもかかわった.現在はDTPを駆使した編集プロダクションを主宰.アメリカ・ニューオリンズ市の名誉市民でもある.
内容説明
マイルスの名盤『カインド・オブ・ブルー』、曲順違いの謎。マイルスの『王子さま』、アナログ盤とデジタル盤の違いの秘密。『戴冠式』、カッティングでこんなに変る、LPおなじみの謎。―LPの謎を解き明かす楽しみ。
目次
最後のアナログ盤『カインド・オブ・ブルー』
三人の王子様(デジタル・リマスターとは)
米国の「戴冠式」
モノーラル盤とステレオ盤
ウィーンの香り
『ブランデンブルク協奏曲』
セロニアス・モンクの七変化
敵性語追放
二十年代のクレッセント・シティ(SP復刻のオムニバス盤)
「凸版印刷」か、「オフセット印刷」か〔ほか〕
著者等紹介
山口克巳[ヤマグチカツミ]
1964年東京教育大学芸術学科卒。「アヴァンデザイン」「集合den」などのデザイン会社を創立し、単行本から、雑誌・週刊誌などの立ち上げAD。教科書、百科事典、国語辞典などの仕事のかたわら、「ドイツ・シャルプラッテン」のジャケットデザイン、「アメリカンミュージック」レーベルなどの制作にも携わる。桑沢デザイン研究所、日本エディタースクールの講師なども歴任。現在、「BRC総合研究所」で、DTP自動化システムを完成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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