内容説明
幕末維新第一の功労者でありながら、大久保らの開明政策に反対、征韓論で下野し、西南戦争を起こして城山で自刃した西郷隆盛。西郷没後110年、『敬天愛人』を信条とし、栄誉も地位も金も、時には命をも、国のため、人のために捧げた西郷を称して、後世「俗物にはとうていわからない人物」といわしめた、この不可思議な人物の評価は、再転し再々転して今日にいたっている。本書は、西郷50年の生涯をたどりながら、激動する維新の政治過程を描き、西南戦争の死闘のすべてを克明にうつし出したドキュメント。
目次
敬天愛人
西郷入道
船上閑話
憂鬱なり、西郷
蟻地獄
征韓論その1・列強の策
征韓論その2・西郷と桐野
征韓論その3・大院君の謎
征韓論その4・盛んなり西郷
征韓論その5・百鬼夜行
西郷と大久保
西郷の誤算
私学校
暗殺指令
出撃
田原坂
逃避行
桐野の愛人
解軍布告
城山の最期
大久保の最期