内容説明
本書は、「ケースワーク」と呼ばれるソーシャルワークの臨床技法についてのべたものである。しかし、「個別化」「受容」「傾聴」などの援助原則、あるいは援助態度からケースワークを検討するのではなく、「援助関係」と「逆転移」を中心に、新たな観点から臨床技法を論じようとしている。
目次
第1部 ケースワーク臨床の特質と「ほどよい援助関係」
第2部 援助関係の活用
第3部 逆転移の活用
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saiikitogohu
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「援助者の感情は抑制するのではなく、むしろ意識化して活用すべきである」3「援助者が個性を生かせるところに、ケースワーク臨床のおもしろさがある」4「ケースワークの多面性…「試行錯誤」という性格が生まれる…そのためには、…意見や質問を交えることのできる人間関係が必要」28「生活の事情や援助の進め方を聴き、ともに検討するだけの人間関係…互いにこれについて話し合い、感情や反論を伝え合える関係が作られたとき、はじめて援助が進行した」38「なんでも明確に答えることは、むしろ辛いことではないか?と…率直に伝えた」482021/06/27
こまこん
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客観的よりも多面的に捉えること。自らの感情を整理すること。そのうえで、援助者自身の特徴に気づき、その特徴や個性に見合った工夫を加えて臨床に活かすことが必要だと記述されている。 クライエントの強みを活用する援助の視点が、物事を言い合えるような援助関係を構築するからこそ、援助者が自分自身に向き合う姿も、自身の強みを活かす視点なのだと気づかされた。2019/08/01