感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
7
くっそ七面倒な文体で読ませるドイツの精神分析界の大家の論文集。とりわけ退屈なのは本書が概ね精神分析における対象(この場合は症状のこと)の認識仕方および如何を問うことに熱を上げているからだろう。精神分析を解釈学的科学だと捉えるその結末は、ある一つの言語ゲームの内部における構造物としての主体の壊れを発見する、メタ言語ゲームという格子があるっちゅー構えに基づいてる。まぁ、ある一つの言語ゲームに壊れを見るための上位審級としての言語ゲームは科学的たりえ、同時に解釈学的たりえるという意匠。C言語みたいなイメージかな。2016/12/19