目次
第1章 フロイトと歴史感覚―フロイトに歴史のセンスはあったのか?
第2章 フロイトはなぜ啓蒙の皮をかぶったのか?―シャルコーの転身とフロイト
第3章 フロイトと反ユダヤ主義―フロイトはなぜ「不快の都」にとどまり続けたのか?
第4章 フロイトの癌とその主治医
第5章 フロイトと日本―フロイトは日本人を本当はどう思っていたのか?
第6章 シュールレアリスムと精神分析
第7章 ウィリアム・ジェームズはなぜフロイトを招いたのか?
第8章 文化人類学という目線―精神分析にまつわるひとつの葛藤について
第9章 精神分析はなぜナチズムを批判できないのか?
第10章 精神分析と倫理
補章 フロイトの生きた時代―おもに1920年代を中心に考える
著者等紹介
小俣和一郎[オマタワイチロウ]
医師、医学博士、精神医学史家。1950年東京都生まれ。1975年岩手医科大学医学部卒業、同年国立医療センター(現・国立国際医療センター)内科研修医、1976年名古屋市立大学医学部大学院入学(臨床精神医学専攻)、1980年同修了(医学博士)。1981‐83年ドイツ連邦共和国給費留学生(ミュンヘン大学精神病院)。1986年医療法人財団・大富士病院(静岡県)副院長。1990‐2015年上野メンタル・クリニック(東京都)院長。2002‐2006年東京保険医協会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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noko
5
フロイトはユダヤ人と公言していた。しかしナチスには反抗抵抗せず。亡命を勧められてもスルーしウィーンに住んだ。最後にロンドン逃げたが、彼の家族はナチスのせいで亡くなってる人も。精神分析はフライトが確立し患者もユダヤ人ばかりでユダヤ固有の学問と1910年から聞かれるようになった。大の葉巻好きのフロイトはニコチン依存症で、1923年口腔癌の疑いでオペを受ける。同じ年白板症にも。そこからは何度も何度もオペを繰り返し続ける晩年となる。フロイトの最後がこんなにも大変だと知らなかった。ナチズムとの話はほぼ出てこない。2025/01/13