- ホーム
- > 和書
- > 教育
- > 教育問題
- > いじめ・非行・不登校・引きこもり
内容説明
「アダルトチルドレン」という言葉は、本来、アルコール依存症家族のなかで育って大人になったアダルトチルドレン・オブ・アルコホリックスに由来する。また、「共依存」という言葉は、そのアルコール依存症者とそれを支える配偶者との関係を指す。これらが、次第にアルコール依存症の枠を超えて広い意味で使われるようになってきたのが現状である。前者は、家庭がうまくいっていない「機能不全家族」のなかで大人になった人たちにも当てはめて用いられるようになった。伝統的家族の崩壊とともに、世代から世代へ受け継がれていく病理を断ち切るために、改めてこれらの概念を整理し、心理学・精神医学の立場からわかりやすく解説したものが本書である。
目次
序章 あるアダルトチルドレンのカウンセリング
第1章 アダルトチルドレンの特徴
第2章 アダルトチルドレンと家族
第3章 アダルトチルドレンの診断
第4章 アダルトチルドレンをめぐる諸問題
第5章 アダルトチルドレンと共依存
第6章 共依存の特徴
第7章 共依存の成因
第8章 共依存とパーソナリティ障害
第9章 共依存の定義
第10章 共依存と社会文化的背景
第11章 アダルトチルドレンと共依存の治療
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ノンケ女医長
29
改めて読み返した。どうして、機能不全家族に育った子が、同じような人を配偶者に選ぶのか。言語化された文章を読み、すっと腑に落ちる。しかし、いわゆる「健全家族」に育った人は0から5%と知り、自分の出自をあれこれと恨むことは、詮無いことだと気持ちが少しだけ楽になった。「子ども時代の喪失を認め、理想化・幻想化している親を捨て去ること」「自分が自分の親代わりになる技術を学ぶこと」の治療原則は、大事過ぎて、心に刻んでいく。親を弔う儀式の紹介もあり、かなり良いですね。2024/08/18
香菜子(かなこ・Kanako)
26
アダルトチルドレンと共依存。緒方 明先生の著書。アダルトチルドレンと共依存には深い関係fがある。アダルトチルドレンは共依存になりやすくて共依存はアダルトチルドレンを生み出しやすい。アダルトチルドレンと共依存は簡単には治らないし、アダルトチルドレンと共依存は治療が必要。でもアダルトチルドレンと共依存が悪化していしまえばしまうほど治療から遠ざかってしまう。それはアダルトチルドレンと共依存であることの自覚がなくなってしまうから。アダルトチルドレンと共依存の怖いところは自覚症状がないところなのかも。2022/06/27
よう
6
図書館本2020/08/02
くらっくす
4
アダルトチルドレン(AC)の広義は、機能不全家族で子供時代を過ごした大人である。アメリカでは広義のACが95%にも上るそうだ。私の家庭では父親が封建的でややこの側面があり、完璧主義の生きづらさを抱えているため、ACからの自己分析のアプローチを試みた。一般向けであるが、学術的な内容のため考察がしやすい。わざわざ声をあげることもなく、臨床に現れない例が膨大であり、ACとしての分類についての矛盾や問題点も記述されている。健全家族と機能不全家族は地続きであり、米国の例のように日本でもグレーな家庭は多いだろう。2022/03/04
kizz
4
ACの人が読むには物足りないだろうが、外部の人間が現状を理解するには十分な情報だと思う。別にACじゃなくても当てはまる事いっぱいあるけど。2008/11/19