出版社内容情報
「服従実験」で知られる天才的な社会心理学者、スタンレー・ミルグラムの生涯を描いた作品。その唯一無比の独創性のルーツを探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
21
社会心理学で取り上げられるミルグラムの半生と彼の実験を顧みたモノ。 1960年代の実験であったが、今であれば倫理的に問題でありできないであろう。実験の被験者はPTSDに陥る危険が考えられる。本を読んでいるだけで嫌な気持ちになってきた。 日本で同じ実験を行えば、日本人の傾向性から8割9割は服従するだろう。何とも恐ろしい限り。スモールワールド研究やロストレターなども興味深い。2021/06/01
KEI°
2
ミルトン・エリクソンがその研究を高く評価していたことがよくわかる。服従実験に対する世間の反応についての記述に1ヶ所、エリクソンの名前が出てくる。批判されることもある有名な実験だが、シンプルでありながらその意味することは、深く、大きい。卓越した着想とは、えてしてそういうものだと思う。服従実験以外の研究も、オリジナリティに溢れていて楽しい。2011/10/13
saku_taka
0
表題の服従実験のみならず,スモールワールド実験など多彩なアイデアで社会心理学の領域を開拓したミルグラムの伝記。非常の著名であるが,一方で,大学への就職に苦労したり,早世したりと,必ずしも華々しい人生ではなく不遇な一面もあったようだ。アイデアに優れるものの,既存の研究の中でどう位置づけるか,ということが後回しになっていた模様。その点で,理論的に弱い,というふうに思われていたのかもしれない。創作したり,映像を制作したりと,通常の枠では収まらない人間像をうまく描いている。2015/08/10
旅烏
0
ミルグラムってアイデアマンだったんだなぁ。期待していた以上に楽しく読めた。2009/12/24
くるみ@柳
0
ちょっと長すぎるかなあ。彼の生涯と、彼の遺したものを現実の世界でどう解釈するかという大きく分ける2つの話が書かれてました。大雑把に知りたいだけだったのに、事細かに書いてあって有り難いやら疲れるやら。2009/10/07
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