内容説明
本書は、「社会心理学の新しいかたち」、すなわち、社会心理学の新しい理論的・方法論的可能性を、第一線の社会心理学研究者が各自の専門分野からの論考したエッセイ(試論)からなっています。本書では、社会心理学の各分野の新しい専門的知識の提供を行なうということよりも、研究者がどのような思想で研究に取り組んでいるかということや、社会的な問題の解決への示唆などが中心に書かれています。
目次
序論(社会心理学はどんな可能性のある学問か)
第1部 社会のリスクにどう対処するか(社会技術としてのリスク・コミュニケーション;リスクの受容と合意形成)
第2部 社会的合意形成をどうすすめるか(公正の原理と社会的意思決定;社会的ジレンマの解決に向けた統合的アプローチ)
第3部 社会心理学を社会政策にどう役立てるか(土木計画に社会心理学を役立てる;防災計画に社会心理学を役立てる;社会福祉に社会心理学を役立てる)
第4部 社会心理学の新しい方法論の可能性(社会現象の計算機シミュレーション;社会行動現象へのシステム思考アプローチ)
著者等紹介
竹村和久[タケムラカズヒサ]
1988年同志社大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、早稲田大学文学部教授、博士(学術)
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感想・レビュー
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MasakiZACKY
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社会心理学をいかに実践的に応用していくかに焦点をあてて、これからの社会心理学の新しいかたちを模索した一冊。社会のリスク・社会的合意形成・土木計画・防災計画・社会福祉など、社会心理学の実践への応用を試みる第一線の研究者たちが各章を担当している。方法論として計算機シミュレーションとシステム思考アプローチに関する記述も(難しくて流し読みしたが)ある。ただし内容のほとんどは「新しい…?」と言った感想であった。今読んで実践的な話に新しさを特に感じないという点、徐々に変わってきているということであろうか。2013/11/15