感想・レビュー
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夢追人009
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小泉八雲さんの名著とは雰囲気が違う現代怪談36編ですが日本的風土に根差した怪談と呼ぶにふさわしい内容に仕上がったと編者の日本恐怖夜話の会の方が自信を持って述べられています。死んだ妻が夫と大っぴらに暮らし始めた愛人に祟って狂気錯乱させ遂に精神病に追い込む話。地方の無人駅で深夜の電車に乗ると作業着の男と一緒になり発車後すぐにトンネル内で停車し降車を誘う男に逆らって逆の出口から出て気を失い目覚めると夜が明けていてそこは草ぼうぼうの廃線駅だった話。これだけ怪談本を読めばもう視えてもいいのにそんなに甘くないですね。2020/03/19