内容説明
題して狐狸庵閑話という。狐狸庵とは江戸日本橋を離るること八里、柿生の村とよばるる山里に世を厭って結んだ我が庵の名であるが、また、この狐狸庵閑話は、コリャ、アカンワともお読み頂きたい。昔、駒場に住んでいた頃、足しげく遊びにきた友だちも、流石ここまでは訪れることも稀である。昼は経を読み、夜は狐狸を友としとまではいかないが、読書に飽きると庵をとりまく雑木林に遊ぶ野鳥の群を眺めて楽しみ、日暮れれば夕餉そこそこにすませて風の音、雨の音に耳すます世捨人の生活である。
目次
メイワク人間へ
イタズラ人間へ
ウッカリ人間へ
イジワル人間へ
オトボケ人間へ
ウソツキ人間へ
マジメ人間へ
メソメソ人間へ
ホラフキ人間へ
ユウウツ人間へ〔ほか〕