内容説明
本書は、ここ数年に起こった理解不能の事件の数々を全国各地から拾い集め、リアルに再現したものである。
目次
第１章 無念の死を遂げた人々の怨嗟の叫び声が聞こえる
第２章 にぎやかな都会の片隅にひっそりと残された異空間
第３章 心の奥底に棲みつく狂気が顔をもたげるとき
第４章 闇夜、あなたの背後で揺らめく不可解な影、また影
第５章 血塗られた伝説に取り憑かれた人たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人００９
128
全国各地から拾い集めた恐怖の一夜の実体験怪談噺本ですが、まあ真実でも虚構でも上手に怖がらせてもらえたら私としては大満足ですね。やっぱり生者には答は死ぬまで出ないでしょうね。『闇鍋パーティ』は大学の卓球同好会の合宿打ち上げが聞いた事もない山村の小さな民宿で行われ、新入生のM君が近くの滝壺で見つけた魚を持ち帰って出した所みんなが「美味いな美味いな」と喜んで食べます。でもここから奈落の底へ突き落される展開で宿の主人から「昔あそこは疫病とか伝染病にかかった人達を投げ込んだ場所で祟りがある」と聞いて全員嘔吐する話。2020/04/01
キー
9
1998年作品。 印象的な作品は３編。 癇の虫に苦しむ母と幼い息子を描いたその名も「癇の虫」。 昭和のホラー映画『震える舌』のような雰囲気。 ホラー映画的といえば、「船内での出来事」も。沖で泳いでいた謎の女を乗せたヨットでの出来事を描いていて、元ネタはアメリカの70年代ホラー映画『魔のバミューダ海域』か。 オチも含めてショートショートとして素晴らしいのが、人生に転落した男が場末のスナックで懐かしい雰囲気の女に出会う、という物語「最後の一杯」。 舞台設定もオチの素晴らしさも阿刀田高作品のよう。2022/04/29
