内容説明
本書では、現代日本の「格差を伴った多様性」の中での、恋愛の可能性について書いている。
目次
それでもわたしは幸せ、と言えるだろうか
結婚しなければ生きていけない女
「なぜ彼を好きなのか」答えられますか
自分を高く売れなければ意味がない
恋愛のリスクとコスト、そして利益
パラサイト・シングルに恋愛は可能か?
セックス、同棲、不倫…そのモラルと現実
「選ばれる」ことは本当にいいことか
果たしてその恋愛に希望はあるのか
自分をごまかす恋愛の結末〔ほか〕
著者等紹介
村上龍[ムラカミリュウ]
1952年長崎県佐世保市生まれ。武蔵野美術大学中退。76年『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞受賞。メールマガジンJapan Mail Mediaも配信中
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mura_ユル活動
47
【図書館リサイクル本】エッセイ。2002年の本。「私が48歳の-」というくだりがあるので、私と近しい歳に書いた本のようだ。高度経済成長期が終焉を迎えたあとの話で表題にあるようにいろいろな「格差」が出てくる。恋愛は一部で会社や社会の現象に関したものが多い。龍さんの昔のエッセイは読まなくても良い。2016/06/08
阿呆った(旧・ことうら)
6
JMMという経済関係のメルマガを発行している村上氏の「経済×恋愛」のエッセイ。これが書かれたのは10年くらい前で、今と少し経済状況が異なるところがありますが、主に高度経済成長以降の経済現象や、社会の変化、それに伴う結婚観や恋愛観などの表象をストイックに掘り下げた考察はさすが村上さんです。私は、終身雇用の崩壊はさることながら、学歴社会の揺らぎや、結婚観の変化、高齢化社会等現代は新旧の価値観の混乱期だと考えます。村上さんも同様に考えており、しかも本気で考えているなと思いました。一読の価値ありです。2015/04/24
むぐ
2
私はこの人の書く小説よりもエッセイの方が好きかもしれない2018/12/07
ひめぴょん
2
恋愛エッセイっぽいタイトルでありながら、時代と結婚や恋愛の変遷についてという感じです。タイトルが内容にそぐわないのが残念。10年以上前に書かれた本なので、ちょっと書かれた時代背景を考えないと分かりにくい部分もありますが、全体としては読みやすかったです。昔は結婚という形態の中で女性が家庭内労働を支えないと立ちゆかなかったのに対して、現代は男女とも自立できるので結婚という形態自体を必要としていない人が多くなったということが多くを占めていました。家電製品の進化と女性の社会進出の影響で婚姻率が低下した? 2016/02/15
さわぽん
1
恋愛の格差という題名ではあるけれ恋愛の話だけじゃないし、格差の話だけでもない。 村上さんの視点からみた変わりゆく社会についてのエッセイ。 昔と比べて生き方を選ぶことができるようになった今、人生も幸せもロールモデルがなくなって(そう書いてた)自分で決めることができる世の中になったはず。 それでも他人と比べたり世間体を気にしたりして生きるのはもったいないね。 自分にとっての幸せを生きればいい。2018/07/20