目次
第3部 哲学と宗教(事象と本質(生命の起源;生命の永遠性;宇宙について ほか)
宗教の役割(文明の生気の本源;近代西欧の三宗教;汎神教への回帰)
善悪と倫理的実践(性善説・性悪説;欲望の超克;人間の運命について ほか))
著者等紹介
池田大作[イケダダイサク]
1928(昭和3)年、東京都に生まれる。富士短期大学経済学科卒業。1960(昭和35)年、創価学会第三代会長に就任。現在、創価学会名誉会長、SGI会長
トインビー,アーノルド・J.[トインビー,アーノルドJ.][Toynbee,Arnold J.]
1889年、ロンドンに生まれる。オックスフォード大学卒業。古代史専攻。ロンドン大学教授、王立国際問題研究所研究部長などを歴任。1975年没
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感想・レビュー
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ロビン
17
下巻は「哲学と宗教」を大テーマに、時間と空間、近代西欧の三宗教、愛と慈悲の実践などについて語り合われる。20世紀最大の歴史家である大碩学のトインビー博士が「『究極の精神的実在』というものの深遠さに比して、人間の理解力があまりにも浅いために、それを部分的、一面的にしかとらえることができない」「私が高等宗教というとき、その意味は、人間各自を『究極の精神的実在』に触れ合わせる宗教ということです」と語られる、その謙虚さと宗教的感受性に感銘を受ける。人間に欲望超克の力と勇気を与える「真の宗教」を実践していきたい。2023/01/28
ロビン
15
生命論、宇宙論、宗教論など人間生命の深奥に関わるテーマで対談は進む。人間の時間・空間による認識力の限界、仏法で説く「三諦」や「仮・中・空」の概念の説明などは難解。大歴史家であられるトインビー博士の「文明の消長はその基盤を成す宗教の質によって決まる」との言葉は重い。「人間各自を”究極の精神的実在”に直接触れ合わせることのできる」高等宗教、21世紀の文明の基盤となるべき宗教は、人類を主体的に自己超克させる力を持ち、どこまでも生命の尊厳を至高の価値とするものでなくてはならないー。両人の結論に身が引き締まる思い。2024/08/27
イプシロン
13
生命論、宗教の役割、善悪と倫理的実践の3章からなる。空(くう)――全ては縁起によって起こっているという理論から、十界(十界互倶)、十如是(百界千如)、三世間(国土、衆生、五陰)、一念三千へと仏法の生命論が、池田氏によって提示される。この辺りは、トインビー氏も追随するのが精一杯という感じ。最終的に、両氏は現代社会がもつ核戦争での人類自殺行為をさけ、科学信仰や偏狭なナショナリズムから起こっている自己(地球環境)破壊人類から脱却するためには、生命尊厳を根本にした高等宗教が必要であると結論している。2014/10/10
wiki
8
話題は宗教哲学へ。愛という言葉には奉仕的な愛と略奪的な愛があり、本当はそれぞれに適した言葉がないといけないものだとのトインビー博士の意見に納得。同じ言葉であり得るから、混ざって混乱する。自己超克と人間革命という言葉が強力に響きあう対話。むしろ、トインビー博士の自己超克という言葉が人間革命という言葉に吸収され、昇華されていると表現すべきだ。トインビー氏は、本対談の3年後に亡くなっている。未来の一切を一人の若き指導者に託した。自らの悲観を杞憂に終わらせる革命的な人生哲学を渇望されていたとも考えられる。必読書。2018/05/06
はなっこりー
3
無知な私にとっては修行のような3巻でしたが、一貫していることは人類の未来の為には「利他の精神」が価値のある事であると 対談を終えた後トインビー氏は通訳を通じて池田会長にメモを渡します A・ペッチェイ氏、A・マルロー氏、ルネ・ユイグ氏を紹介され、その後対談を行います。 トインビー氏から託された平和のバトンは池田会長通じ世界の識者たちへ対話の拡大をしていきます。 周恩来、コスイギン、アタイデ総裁、ゴルバチョフ、キッシンジャー等々 「目の前の人を大切に」 私達は私達なりの行動と対話をしていきたいと思いました。2014/11/02