内容説明
原始蛇信仰と易・五行の法則を併せもつ山の神の考察と記紀神話と民間伝承の神々が語る日本人の神的想像力の秘密に迫る。
目次
山の神(蛇と山の神;亥(猪)と山の神
山の神祭りとその周辺)
神々の誕生(アマテラス・スサノヲの誕生;俗信の神々の誕生;易・五行とはなにか)
著者等紹介
吉野裕子[ヨシノヒロコ]
1916年東京に生まれる。1934年女子学習院、1954年津田塾大学、各卒。1975~87年学習院女子短期大学非常勤講師。1977年3月『陰陽五行思想からみた日本の祭』によって東京教育大学から文学博士の学位を授与される。現在、山岳修験学会、日本生活文化史学会、各理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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大臣ぐサン
1
『山の神』(1989年刊)『神々の誕生』(1990年刊)所収。吉野裕子の代名詞と言える蛇と学説の発展をもたらした陰陽五行の説がいよいよ円熟期に入ってきた。個人的な話であり本書の本筋とは外れるが、本書の山犬の項を読んでいるときにふと思いついた。宮沢賢治の作品に登場する狼はオイノと呼ばれるが、これは御犬(オイヌ)の転訛ではないかと気づいた。狼は山犬とよばれ、時に神格化されて御犬様などと呼ばれた。そのオイヌが南部地方でオイノと呼ばれるようになったのではないかと。なぜ今まで気づかなかったのか。長年の謎が解けた。2022/10/02
ハイパー毛玉クリエイター⊿
1
本巻においては俗信の神々を扱った章が特に面白かった。 著者の見解によれば、鬼はもともと冬と春の境目であり、死と生など循環するものの交代を表すものとされていたため、善・悪の区別はなかったという。しかし平安期の鬼といえばすでに“悪”鬼であり、人を害する存在であってこその鬼である。いったいどこでその転換がなされたのか、この本ではあきらかにされてはいない。 大黒・エビスについての考察も必読。異国の文化を受け入れ変容させて受け継ぐというのが得意な日本らしい神々である。 2014/09/18
wasuregai
1
日本の神々は原始信仰を核としてそこに中国輸入の易や五行の思想を取り入れて理論武装して成り立っているという指摘が面白い。確かにあれほど中国から文物を吸収しておいて思想や民俗学的な面に影響を及ぼしていないことはないだろうからなぁ。日本独特の風俗とみられるものでも、いろんな側面から見ることが必要なのだなと感じる。2010/12/08




