内容説明
五行・十干・十二支・九星・易。暮らしの隅々に息づく中国古代の哲理をさまざまな民俗や歳時習俗をとりあげ、あざやかに論証した労作。
目次
第1章 陰陽五行思想の概要
第2章 陰陽五行と迎春呪術(迎春呪術分類表;古代中国人の四季推移に対する意識 ほか)
第3章 陰陽五行と防災呪術(対震呪術;対雷呪術 ほか)
第4章 陰陽五行とくらしの民俗(正月と盆;山の神と田の神―三合の理と作神の輪廻 ほか)
第5章 『易』と日本の民俗(十一月(子月)和名・霜月
十二月(丑月)和名・師走 ほか)
著者等紹介
吉野裕子[ヨシノヒロコ]
1916年東京に生まれる。1934年女子学習院、1954年津田塾大学、各卒。1975‐87年学習院女子短期大学講師。1977年3月『陰陽五行思想からみた日本の祭』によって東京教育大学から文学博士の学位を授与される。2008年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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K.H.
4
中国で生まれた陰陽五行の哲理が日本人の習俗に食い込んでいるという論。「それはさすがに…」と思わないでもない箇所もある。だがたしかに、祭礼や習俗の中にはその起源が不明で、どうも後付けで理屈づけされたようなものが見られる。土用の鰻など、その例だろう。その後付けよりも著者の説く陰陽五行による説明の方がすっきり来る場合が多い。しかしこの体系は実に複雑。途中までは頁を戻って細かい部分を確認しながら読んでいたものの、終盤は諦めた。原著は30年前の本で、ここに採録されている祭礼や習俗も今どれくらい残っているのだろうか。2022/02/11
Go Extreme
1
天地同根、天地往来、天地交合 相生と相剋、万象循環の車輪 木生火、火生土、土生金、金生水、水生木 木剋土、土剋水、水剋火、火剋金、金剋木 金気西方、万物枯死の殺と更新 土気中央、何物も生じぬ本性 一陽来復、陰極から陽の再生 子午線、年日を二分する要点 山地剥、陰勢増大と陽力剥奪 安倍晴明、陰陽道の大家 木気扶助と水気追放の正月 木気剋殺による新年迎接 金剋木の相剋による雷除け 鹿島神の鯰押さえ地震鎮静 亥卯未の木気三合輪廻 火水木金調和の民安定条件 陰極からの一陽萌芽 呪術→自然推移参与 冷徹理・歳時習俗2025/05/10
Takuya Nishida
0
一度読んだくらいでは複雑で理解はできないけど意外と日常生活と繋がっているって事を知れた。2024/06/15
こぴり
0
タイ式マッサージのセラピストさんとの会話がきっかけで五行について興味を持ち、図書館で借りてみた。 旧暦や八卦についての前提知識がないのでピンとこない部分もあったが、陰陽五行についてざっくりは知ることができた。 節分の豆まき、桃太郎の話など、日本人に当たり前のように染み付いている多くの慣習が、実は大昔の中国で発明された陰陽五行に基づく、四季の巡りを助けるための呪術がもとになっているというのは目から鱗で面白かった。 現代、その由来を知っている者はいないのに、五行に基づく慣習が受け継がれているのは興味深い。2021/10/30
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