内容説明
不況にもかかわらず、四国遍路には人気があり、体験記の出版や遍路ツアーも盛んとなっている。そして、一時廃れていた歩き遍路が、平成期に入って再び脚光を浴びている。そうした遍路の習俗はどのようにして生まれたのか。また、観音巡礼としての西国巡礼は、祖師巡礼としての四国遍路の習俗にどのような影響を与えたのか。両者の関連性を、旅に不可欠な案内記や地図・体験記など、豊富な資料を通して明らかにし、遍路および巡礼の成立、その習俗に関する変容を考察する。
目次
第1章 研究の視点と各霊場の成立(研究の視点;各霊場の成立とその後の変遷)
第2章 西国巡礼と四国遍路の習俗(巡礼と遍路に共通な習俗;四国遍路の独自な習俗)
第3章 出版物と巡礼・遍路の動向(西国巡礼の出版物と巡礼者の動向;遍路の出版物と遍路の動向)
第4章 道中日記にみる巡礼と遍路の習俗(道中日記にみる西国巡礼の習俗;道中日記にみる四国遍路の習俗)
終章 まとめと遍路の世俗化
著者等紹介
佐藤久光[サトウヒサミツ]
1948年秋田県に生まれる。大谷大学大学院哲学科博士課程修了。種智院大学専任講師、助教授、教授。その間91年から95年まで関西大学経済・政治研究所嘱託研究員。現在、関西大学、龍谷大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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