内容説明
今、世界に目をこらすと、ヨーロッパ、ことにその周縁部では従来とは異なるかたちで、街と市民を甦らせようという動きが急速に広がっている。企業メセナ協議会他、わが国のメセナ(文化支援)運動の第一線を歩んできた著者が、ジャーナリストとしての豊富な滞欧経験を踏まえて、日欧の文化をめぐる状況を捉え、戦後60年続いてきた「経済極大・文化極小」に終止符を打つ意欲の論考。
目次
日本人と文化―メセナ(文化支援)の視点から
二十一世紀モデルを模索する企業メセナ
現代文化環境論(“星のはなし”―根源的な文化感覚の問題;問われている日本の教養―「空虚な楽園」の文化状況 ほか)
「文化」は大国日本のアキレス腱
欧州から日本の教育を考える
フランス人気質とフランス文化
それでもやはり、フランス万歳
エピローグ 変貌するフランス、変わらぬ日本―二十一世紀のメセナと文化政策
著者等紹介
根本長兵衛[ネモトチョウベエ]
1932年東京生まれ。東大文学部修士、早稲田大学文学部仏文科博士課程満期退学。61年、朝日新聞社入社。パリ、ローマ支局長、パリ駐在編集委員(欧州文化担当)、東京本社論説委員(ヨーロッパ・文化担当)を歴任。84年から始まった朝日新聞社・フランス文化省共催の日仏文化サミットの事務局長をつとめる。90年退社。同年から2002年まで共立女子大学教授および(社)企業メセナ協議会専務理事を兼任。政策研究大学院大学客員教授、EU‐JAPANフェスト日本委員会プログラムディレクター。フランス政府の芸術文化勲章・シュヴァリエ章(1984年)、オフィシエ章(96年)を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。