内容説明
「結核の潜在性」をめぐる認識と実践。結核の全人口的な感染が予期された近代日本社会において、感染後の身体はいかに統御されるのか。結核史における「潜在的なもの」を主題化することで、結核の顕在的な側面に焦点があてられてきた従来の見方を再構成し、新たな視座を提示する。
目次
序章
第一章 日本における結核研究と結核認識の体系
第二章 戦前期の通俗医学書を通じた結核発病予防の啓発
第三章 戦前・戦中期日本における結核予防と「体質」概念
第四章 公立結核療養所と「隔離」の社会的機能の追求
第五章 戦時期における集団検診と全人口的な結核管理の構想
第六章 戦時期におけるBCG集団接種と全人口的な免疫獲得の模索
終章
著者等紹介
塩野麻子[シオノアサコ]
1995年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科先端総合学術専攻一貫制博士課程修了。博士(学術)。現在、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員。専門は医学史、科学技術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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