内容説明
女性の身体を近代化させる劇場。西洋近代社会、とりわけ民主主義国家の象徴とみなされたレヴュー。パリで誕生したこの無個性の集団舞踊は、身体統制のイデオロギーとして、日本の女性の身体をどう捉え、どう規定しようとしたのか。戦前から戦後にかけての宝塚・東宝レヴューを概観し、西洋近代化する日本社会の身体感覚の変貌に迫る。
目次
第1章 レヴューの女性を取り巻く議論―近代性と身体統制はこれまでどう語られてきたか
第2章 演劇環境の近代化―一九二〇年代宝塚少女歌劇とレヴュー
第3章 身体感覚の近代化―一九三〇年代レヴューと国家表象
第4章 初期ヌードレヴューの女性の身体―占領期(一九四五~一九五二)の演劇検閲
第5章 「真のレヴュー」としての日劇ミュージックホール
第6章 ヌードレヴュー劇場と武智鉄二の交錯―一九五〇年代東宝と伝統芸能
著者等紹介
垣沼絢子[カキヌマアヤコ]
1987年愛媛県生まれ。大阪大学大学院文化表現論専攻博士後期課程修了。博士(文学)。現在、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員(特別研究員PD)。京都産業大学、立命館大学、大阪大学非常勤講師。専門は演劇学(演劇史、舞踊史、文化社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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