内容説明
かつて医学・薬学はもとより数学・天文学から建築・灌漑・土木の諸技術まで、すべて深い宗教的確信と情熱の産物ではなかったか。役行者、行基をその先蹤として、わが国が生んだ最高の宗教者空海を一人のエンジニアとしてとらえるユニークな視点から、衆生済度、万人の利福が21世紀の科学技術社会といかに関わるべきか、現代における信仰と労働・技術の問題に分け入ったかつてない空海論の労作。
目次
第1編 役行者―「仏国土」への夢と挫折(「亡命」に始まる;岩橋伝説の深層;岩橋伝説の出発 ほか)
第2編 行基の「道」―「知識」による諸事業(伝道と同行;福田思想と菩薩行;行基の先人、道昭、道慈のこと ほか)
第3編 空海―民衆と共に(空と海の曼陀羅;空海と民衆;民衆はどのように空海を理解したか? ほか)
著者等紹介
河原宏[カワハラヒロシ]
1928年(昭和3年)、東京生まれ。1959年、早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。政治学博士。現在、早稲田大学名誉教授。専攻、日本政治思想史
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