内容説明
内面のドラマともいうべき、無意識的な心の変遷過程をたどる。ユング思想の全体像を浮かびあがらせる絶好の入門書。
目次
第1部 意識におよぼす無意識の諸作用(個人的無意識と集合的無意識;無意識の同化作用のおこす後続現象;集合的心の一部としてのペルソナ;集合的心からの個性解放の試み)
第2部 個性化(無意識の機能;アニマとアニムス;自我と無意識の諸形象とを区別する技術;マナ=人格)
著者等紹介
野田倬[ノダアキラ]
1936年福岡県生まれ。2015年逝去。九州大学独文科卒業。東京工業大学名誉教授。レーゲンスブルク大学客員教授。専攻、ドイツ文学・文芸理論。日本ユングクラブ委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
8
ドイツ語からは、フロイトは主語を取るich(自我)を基点とし、他の名詞(他者)につくselbstを潜在意識、動詞(行為)に付属するsichを無意識としたとされる。自我(Ich)は「私」を他と分ける社会的機能(意識)を占め、他の「私」は無意識に配される。一方、自己(Selbst)を基点とする著者は、自我と行為(フロイトのesはsichを伴う非人称主語)との関係を進化論と神話学によって過程と捉える。本書は、自我の他の「私」に対する過度の否定を神経症とし、無意識に沿って本来的自己を探求する「個性化」を強調する。2021/05/26
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