出版社内容情報
植民地主義と性差別主義の結びつき
戦後沖縄における性暴力や性売買をめぐる問題は、これまでフェミニズムの観点から様々に論じられてきた。しかし、広大な米軍基地を抱え、アメリカや日本との複雑な権力関係にさらされるこの地の問題を考えるためには、それだけでは不十分である。植民地主義と性差別主義が深く結びついているからだ。不可視化されてきたこの問題を分析するため、ポストコロニアル・フェミニズムの手法を本格的に社会学に導入し、女性を取り巻く言説を問い直す、刺激に満ちた気鋭の力作。
「ポストコロニアル・フェミニズムという視点は、重要でありながら、あるいは、重要であるからこそ隠され続けてきた植民地主義と性差別主義とのつながりを可視化することができる。ポストコロニアル・フェミニズムは、過去から現在へ続く不正義の発見を助ける眼鏡であると言える。」(本書より)
内容説明
戦後沖縄における性暴力や性売買をめぐる問題は、これまでフェミニズムの観点から様々に論じられてきた。しかし、広大な米軍基地を抱え、アメリカや日本との複雑な権力関係にさらされるこの地の問題を考えるためには、それだけでは不十分である。植民地主義と性差別主義が深く結びついているからだ。不可視化されてきたこの問題を分析するため、ポストコロニアル・フェミニズムの手法を本格的に社会学に導入し、女性を取り巻く言説を問い直す、刺激に満ちた気鋭の力作。
目次
第1部 問題構成と視角(序論;ポストコロニアル・フェミニズムから再考する沖縄研究)
第2部 沖縄戦と戦後史の歴史表象におけるセクシュアリティ(日本における沖縄に対する植民地主義―日本軍性奴隷制度を裁く女性国際戦犯法廷後の議論を手がかりに;沖縄戦の被害者をめぐる共感共苦の境界線―自治体史誌における「慰安婦」と「慰安所」の記述に着目して;沖縄県平和祈念資料館展示改ざん事件再考―「慰安所」とAサインバーの展示に着目して)
第3部 継続するセクシュアリティの利用と排除(在沖米軍基地をめぐる攻防―性暴力をめぐる表象に着目して;歓楽街環境浄化運動再考―排除される売春女性)
終章 ポストコロニアル・フェミニズムの射程
著者等紹介
玉城福子[タマシロフクコ]
1985年那覇市生まれ。日本学術振興会特別研究員PD(沖縄国際大学)。特定非営利活動法人社会理論・動態研究所研究員。2015年大阪大学大学院人間科学研究科単位修得退学、2016年博士号(人間科学)取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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