出版社内容情報
40年におよぶ、日本におけるデジタルゲーム産業の興亡を描き出した画期的通史黎明期から現在まで40年におよぶ、日本におけるデジタルゲーム産業の興亡を描き出した画期的通史。アーケードやPCも含む包括的な記述で、高い資料的価値をもつとともに読み物としても成立させた、ビジネスマン・研究者必読の書。
第1章 ゲーム産業の歴史とは何か
1 ゲーム産業史とは何か
2 ゲーム産業史の時代区分
3 2D期の3市場
3‐1 3市場の特徴
3‐2 3市場の性能的な特徴
4 まとめ
第2章 コンピュータゲームの誕生からアタリショックまで――日本ゲーム産業史前史
1 コンピュータゲームの誕生:研究室の時代
2 コンピュータ・スペースの失敗
3 初の家庭用ゲーム機:Magnabox Odyssey
4 ポンの誕生と類似ゲームの氾濫
5 ホームポンと1977年の市場崩壊
6 カートリッジ型ゲーム機の登場とアタリVCSの成功
6-1 先駆者:Channel FとStudio II
6-2 アタリVCSの成功と苦闘
6-3 アタリの開発者冷遇とサードパーティの登場
6-4 アタリのライバルたち:コレコビジョンとインテレビジョン
7 1983年の市場崩壊(アタリショック)
7-1 世代交代の失敗
7-2 低品質のゲームの増大
7-3 市場崩壊
8 パソコンゲーム市場の台頭
9 まとめ:日本とは別の歴史を歩む米国市場
第3章 アーケードゲーム(1):エレメカからビデオゲームへ――インベーダーゲームの誕生とアーケードゲーム産業の確立
1 日本の娯楽機産業の黎明期:アーケードゲーム系企業の前史
2 ポンの輸入とコンピュータゲームの登場
3 初のコピー問題:F1
4 スペースインベーダーの登場と社会的反響
5 知的所有権の確立
6 ポスト・インベーダー:ギャラクシアンとその後
7 まとめ:2つの技術的なシフト
第4章 PCゲーム(1):8ビット御三家の確立
1 パソコンの誕生
2 黎明期のパソコンゲーム産業
2-1 ショップと雑誌
2-2 ソフトウェア会社の誕生
3 PC市場の収斂
3-1 PC本体の3カテゴリーへの収斂
3-2 競争と淘汰によるマーケットの収斂
4 まとめ:日本のパソコンゲーム産業の早期自立
第5章 家庭用ゲーム(1-1):アタリショックを超えて――ファミリーコンピュータ誕生
1 日本の家庭用ゲームの黎明期
1-1 ハード実装型家庭用ゲームの時代
1-2 電子ゲームとゲーム&ウオッチの成功
1-3 日本におけるカセット型ゲームの黎明期
1-4 ゲーム用パソコン
2 ファミリーコンピュータ(ファミコン)の登場
2-1 ファミリーコンピュータの開発
2-2 ファミリーコンピュータの売行
2-3 ディスクシステムの失敗
3 サードパーティ の大量参入とそのコントロール
3-1 サードパーティの登場と契約による管理
3-2 サードパーティの新規参入とその影響
4 まとめ:ゲームの多様性の拡大と家庭用ゲーム機の自立
第6章 アーケードゲーム(2):風営法ショックとそこからの復活
1 店舗の淘汰と拡大
2 賭博ゲーム機問題と青少年非行
3 風俗営業法の適用とファミコンショックによる売上低下
4 イメージの回復と新機軸による巻き返し
4-1 ゲームセンターの健全化
4-2 家庭用ゲームとの差別化
4-3 ゲームセンターのレジャーランド化
5 対戦格闘ゲームブームの到来
6 まとめ:危機からの脱出と、さらなる雄飛
第7章 PCゲーム(2):PC-9801長期政権の確立と停滞
1 8ビット御三家の代替わり
2 MSX2の普及とMSXの終焉
3 PC-9801VMの登場と事実上の標準化
4 ホビーパソコンのAV化
5 PC-9801への収斂
6 PCゲームの自主制作の流れ
7 ソフトウェアの違法コピー問題
8 アダルトゲームと規制
9 PCゲーム市場の成熟と低迷
第8章 家庭用ゲーム(1-2):ファミコンとその後継者たち
1 ニューメディア端末としてのディスクシステム
2 ファミコンの社会的反響
2-1 ゲーム雑誌と攻略本ビジネスの成立
2-2 ファミコンブームと小学生への影響
2-3 ファミコンソフトのコピー問題
2-4 ゲーム流通と家庭用ゲームビジネスの抱える問題
3 ポスト・ファミコンを巡って
3-1 PCエンジン:「コア構想」戦略の迷走
3-1-1 本体戦略の迷走
3-1-2 世界初のCD-ROMゲーム機としての成功
3-1-3 「美少女ゲームハード」としてのPCエンジン
3-1-4 PCエンジンまとめ
3-2 メガドライブ:国内外での明暗
3-3 NEO・GEO:アーケードゲーム互換という高級・独自路線
3-4 スーパーファミコン:新しい面白さを生み出した新機種
3-4-1 スーパーファミコンの仕様
3-4-2 市場席巻
3-5 ゲーム価格の高騰とCD-ROMの発表中止:次世代機への布石
第9章 1994年の激変:技術革命とビジネス革命
1 技術面での変化
1-1 ハードウェアの抽象化と開発の高度化
1-2 ゲームハードの継続的改良と値下げ
1-3 グラフィクスの3D化
1-3-1 スペック表の変化
1-3-2 ハードウェア性能の収斂
1-4 ディスクメディアの普及
1-4-1 ディスクメディアの特徴
2 経済環境の変化
2-1 マルチメディアブームの到来とゲームへの注目
2-2 ビデオ規格競争の先兵化
2-3 株式上場ブーム
2-4 ゲームの流通構造の変化
2-5 価格差別戦略の登場と激化
2-5-1 パッケージ型ゲームでの価格差別戦略
2-5-2 アーケードゲーム,オンラインゲームでの価格差別戦略
3 まとめ:ゲームの黄金時代
第10章 アーケードゲーム(3):バーチャファイターとリッジレーサーの衝撃――アーケードゲーム最後の輝き
1 プリントシール機の誕生
2 3Dゲームと音楽ゲームの普及
3 互換基盤の普及とビデオゲームの地位低下
4 ビデオゲームの地位低下と、ゲームセンターの大規模化
5 まとめ:アーケードの失速と、オンラインゲームへの布石
6 補論:アーケードゲームのシステム推移
6-1 古典的アーケードゲーム(20世紀)
6-1-1 単純な残機制
6-1-2 残機+エンディング制
6-1-3 対戦勝ち抜き制
6-1-4 タイムエクステンド制
6-1-5 パスワード/磁気カードによる継続プレイ
6-2 現代アーケードゲーム(21世紀)
6-2-1 ネットワーク対戦
6-2-2 トレーディングカードゲーム
6-2-3 行動ポイント(スタミナ)制
第11章 PCゲーム(3):Windows95の登場,国内PCゲームメーカーの退潮,オンライン
ゲームの胎動
1 Windows95の登場とPC-98の終焉
2 プラットフォーム移行の失敗とPCゲームの衰退
3 パッケージ市場のアダルト化
4 ノベルゲームの拡大
4-1 ノベルゲームの特徴
4-2 ノベルゲーム市場の成立
5 PCオンラインゲームの登場と低迷
5-1 黎明期のオンラインゲーム
5-2 PCゲームでの始動:ディアブロとウルティマ・オンライン
5-3 日本のオンラインゲーム
5-4 パッケージとのビジネスモデルの違い
5-5 ブラウザゲームの台頭と課金プラットフォーム化
5-6 ビジネスモデルの変化
5-7 厳しい競争と市場規模の伸び悩み
6 PCゲームまとめ:3大市場からの陥落
第12章 家庭用ゲーム(2):3大ハード時代
1 時代に消えていったハード達
1-1 PC互換という陥穽:タウンズマーティーとピピンアットマーク
1-1-1 古い革袋:タウンズマーティー
1-1-2 失敗したSTB:ピピンアットマーク
1-2 市場を読み間違えたハード:PC-FXと3DO
1-2-1 性能上昇カーブを読み誤ったPC-FX
1-2-2 早すぎたハード:3DO
1-3 性能不足と虚像の市場
1-4 ゲーム大手の失敗ハード
1-4-1 セガ:スーパー32Xの失敗
1-4-2 任天堂:早すぎたハード:バーチャルボーイ
2 3大ハード時代
2-1 ハードウェアの開発
2-1-1 最強の二次元ハード:サターン
2-1-2 3D特化ハード:プレイステーション
2-1-3 大難産のハード:ニンテンドー64
2-1-4 各ハードの性能
2-2 3大ハードの競争
3 まとめに変えて:家庭用ゲーム全盛期
第13章 家庭用ゲーム(3):ゲームの高度化と日本の地位低下
1 ポスト・プレイステーションを巡って
1-1 ドリームキャストとセガのハード事業撤退
1-2 苦戦のハード:ゲームキューブ
1-3 日本では完全に失敗だったXbox
1-4 アーキテクチャを一新した後継機:プレイステーション2
2 プレイステーション3,Xbox360とWii:終わりの始まり
2-1 プレイステーション3の失敗
2-2 日本でのポジションを固められなかったXbox360
2-3 革新と停滞:Wii
2-4 ハードウェアまとめ
3 世界での市場規模の拡大と日本での停滞
3-1 日本市場の相対的な地位低下
3-2 ゲーム開発の大規模化と海外市場からの孤立
3-3 大規模化リスクへの対応
4 まとめ:「テクノロジー・ドライバとしてのゲーム機」の終焉
第14章 家庭用ゲーム(4):携帯型ゲーム機による市場逆転
1 携帯ゲーム機前史:ゲームポケコン
2 携帯ゲーム機第1世代:ゲームボーイとゲームギア
3 携帯ゲーム機第2世代:ワンダースワン、ネオジオポケット、ゲームボーイアドバンス
4 携帯型デジタルペットのヒットとメモリカード
5 携帯ゲーム機第3世代:PSPとDS
6 まとめ:主役の交代、補助的役割から市場の中心へ
第15章 携帯電話向けゲーム:ソーシャルゲームの隆盛と急激な市場成熟化
1 ソーシャルゲーム以前の携帯電話ゲーム
2 ソーシャルゲームによる市場拡大
3 ソーシャルゲームのシステム的特徴とビジネスモデル
4 ソーシャルゲームの市場構造と高額課金問題
5 スマートフォンの普及による市場環境の激変
6 ゲームデザイン・ビジネスモデルの変化:”Pay to Win”から”Free to Play”へ
6-1 パズドラの衝撃
6-2 艦これによるFree to Playの定着
7 ゲームのトレンドの移り変わりと「先祖返り」
8 携帯電話ゲームまとめ:補助的存在から主役へ
第16章 現在
1 市場間競争(1):携帯ゲーム機 VS スマートフォン
1-1 携帯ゲーム機の苦戦
1-2 スマートフォンの躍進
2 市場間競争(2):据置ゲーム機 vs PC
2-1 「安価なハイエンドPC」化が進む据置型ゲーム機
3 ダウンロード販売の拡大とインディーズ市場
4 家庭用ゲーム市場の縮小とマルチプラットフォーム戦略・移植戦略の変化
5 現在の状況のまとめ:環境の激変と激しい市場間競争
あとがき
参考文献
各章キーワード一覧
小山友介[コヤマユウスケ]
小山友介(こやま・ゆうすけ) 1973年大阪府生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。東京工業大学助教などを経て現在、芝浦工業大学システム理工学部教授。専門は、進化経済学・コンテンツ産業論・社会情報学。共著書に、『コンテンツ産業論 混淆と伝播の日本型モデル』(東京大学出版会、2009 年)、『メディア・コンテンツ産業のコミュニケーション研究』(ミネルヴァ書房、2015年)など。共訳書に、アンデルセン『進化的経済学』(シュプリンガーフェアラーク東京、2003 年)。
内容説明
黎明期から現在まで40年におよぶ、日本におけるデジタルゲーム産業の興亡を描き出した画期的通史。アーケードやPCも含む包括的な記述で、高い資料的価値をもつとともに読み物としても成立させた、ビジネスマン・研究者必読の書。
目次
ゲーム産業の歴史とは
コンピュータゲームの誕生からアタリショックまで―日本ゲーム産業史前史
アーケードゲーム(1):エレメカからビデオゲームへ―インベーダーゲームの誕生とアーケードゲーム産業の確立
PCゲーム(1):8ビット御三家の確立
家庭用ゲーム(1‐1):アタリショックを超えて―ファミリーコンピュータ誕生
アーケードゲーム(2):風営法ショックとそこからの復活
PCゲーム(2):PC‐9801長期政権の確立と停滞
家庭用ゲーム(1‐2):ファミコンとその後継者たち
1994年の激変:技術革命とビジネス革命
アーケードゲーム(3):バーチャファイターとリッジレーサーの衝撃―アーケードゲーム最後の輝き
PCゲーム(3):Windows95の登場、国内PCゲームメーカーの退潮、オンラインゲームの胎動
家庭用ゲーム(2):3大ハード時代
家庭用ゲーム(3):ゲームの高度化と日本の地位低下
家庭用ゲーム(4):携帯型ゲーム機による市場逆転
携帯電話向けゲーム:ソーシャルゲームの隆盛と急激な市場成熟化
現在
著者等紹介
小山友介[コヤマユウスケ]
1973年大阪府生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。東京工業大学助教などを経て、芝浦工業大学システム理工学部教授。専門は、進化経済学・コンテンツ産業論・社会情報学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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