出版社内容情報
無人にして「死者の出ない街」が、三陸を、福島を、日本を覆う前に。
大震災が徐々に忘れられる中、原発避難者には賠償の打ち切りが迫り、三陸では過疎化が劇的に進行している。だが日本には、個人を支援する制度がそもそもない。
復興政策の限界を歴史的、構造的に捉え、住民主体のグランドデザインを描くための新たな試み。
1 ゴーストタウンから死者は出ない 小熊英二
2 変わりゆく景色のなかで 三浦友幸
3 豊かな海辺環境をつくるために 谷下雅義
4 被災自治体財政の分析 宮崎雅人
5 六年目の原発避難に向けて 市村高志
6 福島原発事故の賠償をどう進めるか 除本理史
7 再生可能エネルギーの意志ある波のゆくえ 茅野恒秀
8 支援者は地域創造の主体へと変わるのか 菅野拓
9 地域再生のため宗教に何ができるか 黒崎浩行
対談 住民主体のグランドデザインのために 赤坂憲雄 × 小熊英二
【著者紹介】
小熊英二(おぐま・えいじ)1962年生まれ。慶応義塾大学教授。専攻は歴史社会学。著作に『社会を変えるには』『1968』『平成史』など。
内容説明
無人にして「死者の出ない街が」、三陸を、福島を、そして日本を覆う前に。復興政策の限界を歴史的・構造的にとらえ、住民主体のグランドデザインを描くためのあらたな試み。
目次
第1章 ゴーストタウンから死者は出ない―日本の災害復興における経路依存
第2章 変わりゆく景色のなかで―宮城県気仙沼の住民活動を通して
第3章 豊かな海辺環境をつくるために―防潮堤問題から見えてきたこと
第4章 被災自治体財政の分析―宮城県南三陸町を事例に
第5章 六年目の原発避難に向けて―福島県富岡住民として、いま思うこと
第6章 福島原発事故の賠償をどう進めるか
第7章 再生可能エネルギーの意志ある波のゆくえ―エネルギー政策の経路依存と構造転換
第8章 支援者は地域創造の主体へと変わるのか―アソシエーションと被災地域
第9章 地域再生のため宗教に何ができるか―ソーシャルキャピタルの視点から
対談 住民主体のグランドデザインのために
著者等紹介
小熊英二[オグマエイジ]
1962年、東京都生まれ。東京大学農学部卒業。出版社勤務を経て、1998年、東京大学教養学部総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了。専攻は歴史社会学、相関社会科学。現在、慶應義塾大学総合政策学部教授
赤坂憲雄[アカサカノリオ]
1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。専攻は民俗学。現在、学習院大学教授。1999年『東北学』を創刊。2011年東日本大震災後、政府の復興構想会議委員を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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