出版社内容情報
“私たちは、もっと怒っていい”労働の現場から生まれた渾身のフリーター論。
内容説明
労働の現場から生まれた渾身のフリーター論。ブログで話題!「フリーターに関する20のテーゼ」付。
目次
第1部 現在へ―現状分析論(フリーターとは誰か?;フリーターは階層である?;ニートとは誰か?;フリーターは何の当事者なのか?;政府や企業は、フリーター的労働層を便利に使い捨てようとしてきたし、今後もそうする ほか)
第2部 未来へ―Kさんへの手紙
第3部 フリーターに関する二〇のテーゼ
著者等紹介
杉田俊介[スギタシュンスケ]
1975年、神奈川県川崎市生れ。法政大学大学院人文科学研究科修士課程修了(日本文学専攻)。卒業後アルバイトを転々とし、3年前より、川崎市で障害者サポートNPO法人勤務。現在、ヘルパーとして障害者福祉の仕事にあたる。批評誌『エフェメーレ』主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
9
当事者の立場から語られた、最も原理的なフリーター論。存在の危機と経済の危機はだいたいセットでやってくるが、本書は存在を掴む闘争から経済の自由も手に入れようと呼び掛けてくる本だ。フリーターとそれを生む社会の具体的な困難を原理的に考え、抑圧をはねのけながら自らの責任や他者との連帯をも考える。ある意味、この問題で真に的確な「自己責任論」を積極的に提示できている数少ない本。著者の想像力は女性や第三世界、未来の子どもたちも蔑ろにすることなく、分断を超えて真の敵との闘いを構想している2012/10/02
penkick
8
坂口恭平はフリーターだった。本書が出版された2005年、坂口は高円寺の2.5万円の部屋に住みながら極貧生活を送る作家志望の青年だった。だが彼はヒルトンホテルでボーイを始め富裕層の宿泊客からチップとして月に数十万円を稼ぐようになる。この逸話にこそフリーターが困窮から抜け出すヒントがあると私は思う。つまり筆者が怒りを滲ませながら語った<奴ら>から庇護される存在になるということだ。安易に<奴ら>を敵と見なすのではなく、<奴ら>は何に恐怖を、不安を感じているのか……そこから考え始めたい。 2015/12/17
ないとう
1
つまらなかった。2014/07/04
v&b
1
2005年(?)に読んで、久々に再読。おそらく、冒頭の文章が加えられている。読みづらい。しかし、重要だ。今日、明日中に再読する予定。2009/04/28
Kojo Akira
0
フリーターとしては実生活を言語化してくれるような本。主張のすべてには賛同しないけれども、研究ノートとしての側面もあり(実際巻末に参考文献一覧がある)、ある種入門としての位置付けを与えうる。2015/08/13