タンタンとエルジェの秘密

ティスロン，セルジュ【著】〈Ｔｉｓｓｅｒｏｎ，Ｓｅｒｇｅ〉/青山 勝/中村 史子【訳】

人文書院（2005/06発売）

• サイズ A5判／ページ数 199p／高さ 22cm
• 商品コード 9784409180013
• NDC分類 726.1
• Cコード C1079

出版社内容情報

著名な精神分析家が世界中で愛される人気シリーズの魅力と創作の秘密を解くマンガ批評の決定版。ファン必読の書。

内容説明

謎に包まれた作品の魅力とエルジェの創作力学をホームズのように鮮やかに解き明かす。

目次

第１章　「タンタンの冒険旅行」の秘密（融合の状態から世代の分化形成へ；過渡期―一九三八年から一九四二年まで；家系の問題の解消）
第２章　エルジェの家族の秘密
第３章　「タンタン」における三世代の秘密（第一世代の秘密―カスタフィオーレ；第二世代の秘密―デュポン＆デュポン；第三世代の秘密―タンタン、アドック、トゥルヌソル）
第４章　二つに引き裂かれたエルジェ―「家なき子」の和解
第５章　「タンタン」と「歴史的事実」

著者等紹介

ティスロン，セルジュ［ティスロン，セルジュ］［Ｔｉｓｓｅｒｏｎ，Ｓｅｒｇｅ］
１９４８年生。精神科医、精神分析家。１９７５年リヨン第１大学医学部で博士号を、１９８４年パリ第１０大学で心理学の博士号を取得。現在は、さまざまな機関で臨床に携わりつつ、パリ第７大学で教鞭も取る。『精神分析家を訪れるタンタン』（１９８５）で一躍有名となり、以来「イメージ」と「家族の秘密」をテーマとする多くの著書を発表し続けている。また、１９７５年にマンガによる医学博士論文を提出して以来、マンガ家としての活動も行っている

青山勝［アオヤママサル］
１９６７年生。１９９８年京都大学大学院博士課程単位取得退学。パリ第３大学映画学科に留学（１９９３‐９５）。現在は大阪成蹊大学芸術学部教員。映像学、視覚文化論、現代美術論

中村史子［ナカムラフミコ］
１９８０年生。京都大学文学研究科博士前期課程。２００４年９月よりフランスのストラスブール大学連合に留学。視覚文化論、写真論
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感想・レビュー

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[ムチコ]

同じ著者の『家族の秘密』で紹介されていたので。タンタンシリーズの設定や展開に作者自身の生育環境が（たぶん作者自身が意識していた以上に）織り込まれている。この間読んだ『犬神家の戸籍』でも金田一シリーズに横溝正史の生育環境が反映されているという話があった。丹念に「しるし」を追いながらも精神分析的なアレゴリーにはきっぱり距離を置いているところがよかったです。欲を言えば日本語版の人物名との対応表やシリーズ各巻の発行年表（日本語版は発行順も原書と異なるので）などがほしかった。

2022/05/24

[てらさか]

登場人物の名前が原文に忠実で、慣れるまで違和感があった。なるほどこんな考察が…作者にもこんな過去が…といろいろ勉強になる。

2022/04/22

[冬峰]

作者エルジェがタンタンシリーズに反映させていた、自分の父親の秘密についての想像について、キャラクターから読み解く。なので作品そのものについての研究が読みたい人は戸惑うはず。私もそう。とりあえず、子供の頃読んだきりなので、タンタンを再読しようと思う。 文章がちょっと読みにくかったのは、翻訳だからというより、著者の言い回しがわかりにくかったからかな、と思う。

2022/01/23

[りぃ]

「タンタン」を読み返している途中で読んだこともあり、漠然としたまま読了。「子供のときに気付いた秘密を大人になってもう一度探そうとする」なんててころはありえそうだと思いつつも、丸め込まれたような感じ。

2010/06/22

[highcampus]

読了。エルジェの家系にまつわる謎を踏まえつつ（程度の高い）精神分析学的アプローチを試みた、独創的なタンタン論。

2012/04/06