出版社内容情報
アーサー王伝説・聖杯伝説から比較神話学の世界を拓く
世界各地の神話物語の比較を通じて、神話の類似性・普遍性に着目し、人間の精神性を追究したキャンベル。本書は中世ヨーロッパにおけるアーサー王伝説・聖杯伝説をテーマに、聖杯の起源と意味、円卓の騎士たちの冒険の分析、東洋神話との比較を通じて、神話のシンボルの本質に迫る。キャンベルが築いた豊かな比較神話学の世界はここから始まる。
キャンベルが一九二七年三月一五日にコロンビア大学の英語・比較文学科に提出した、修士論文『「災いの一撃」の研究(“A Study of the Dolorous Stroke”)』を「補論『「災いの一撃」の研究』」として掲載。
◎目次
編者まえがき
謝 辞
Ⅰ 聖杯物語の基礎と背景
第1章 アーサー王伝説の背景――新石器時代、ケルト、ローマ、ゲルマンの時代
第2章 アイルランドのキリスト教――聖ブレンダンと聖パトリック
第3章 神学、愛、トルバドゥール、ミンネジンガー
Ⅱ 冒険の旅に出る騎士たち
第4章 ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの『パルチヴァール』
ガハムレト / パルチヴァール / ガウェイン / フェイレフィース / ヴォルフラムの『パルチヴァール』に映じた東洋世界の影
第5章 トリスタンとイゾルデ
トリスタン物語の起源と伝承 / 馬、豚、そして竜――マーク王とトリスタン / トリスタンの物語に映じた日本と南アフリカの影
第6章 円卓の騎士たち
アーサー / ガラハッド、ボールス、パーシヴァル / ランスロット/イヴァン / 『ガウェイン卿と緑の騎士』
Ⅲ テーマとモチーフ
第7章 荒地
魔法にかかっていること、魔法を解かれること / 任命を受けただけの王 / 傷 / 漁夫王 / 聖杯 / アヴァロン
補論 「災いの一撃」の研究
訳者あとがき
ジョーゼフ・キャンベル・ライブラリー
――中世のアーサー王物語に関連する作品(「ジョーゼフ・キャンベル・コレクション」より)
ジョーゼフ・キャンベル著作目録
図版出典
索引
内容説明
世界各地の神話物語の比較を通じて、神話の類似性・普遍性に着目し、人間の精神性を追究したキャンベル。本書は中世ヨーロッパにおけるアーサー王伝説・聖杯伝説をテーマに、聖杯の起源と意味、円卓の騎士たちの冒険の分析、東洋神話との比較を通じて、神話のシンボルの本質に迫る。
目次
1 聖杯物語の基礎と背景(アーサー王伝説の背景―新石器時代、ケルト、ローマ、ゲルマンの時代;アイルランドのキリスト教―聖ブレンダンと聖パトリック;神学、愛、トルバドゥール、ミンネジンガー)
2 冒険の旅に出る騎士たち(ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの『パルチヴァール』;トリスタンとイゾルデ;円卓の騎士たち)
3 テーマとモチーフ(荒地;「災いの一撃」の研究)
著者等紹介
キャンベル,ジョーゼフ[キャンベル,ジョーゼフ] [Campbell,Joseph]
比較神話学の分野で最もよく知られたアメリカの著述家であり教師であった。1904年にニューヨークで生まれた彼は、幼少期に神話に興味を抱くようになる。アメリカ先住民の文化に関する本を読むのが好きで、ニューヨークのアメリカ自然史博物館を足しげく訪れ、トーテムポールのコレクションに魅了されたという。コロンビア大学で中世文学を専攻し、そこで修士号を取得した後、パリ大学とミュンヘン大学で研究を続けた。留学中に彼は、パブロ・ピカソとアンリ・マティスの芸術、ジェイムズ・ジョイスとトーマス・マンの小説、そしてジークムント・フロイトとカール・ユングの心理学の研究に影響を受けた。これらとの出会いにより、キャンベルは、すべての神話や叙事詩は人間の深層心理の中でつながっており、そうした物語は、社会的、宇宙的、精神的な現実を説明しようとする人類の普遍的な欲求の文化的表出であるという説を唱えるのである。1978年に死去
斎藤伸治[サイトウシンジ]
1962年3月生まれ。山形県南陽市出身。現在、岩手大学人文社会科学部教授。専門は言語学、言語論、文字論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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