アール・ブリュット―野生芸術の真髄

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  • サイズ A5判/ページ数 250p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784409100387
  • NDC分類 702.06
  • Cコード C3071

出版社内容情報

さらば既成芸術!芸術界のみならず思想界にも強大な影響を与えたアール・ブリュット論の古典的名著、ついに翻訳「生(き)の芸術」のバイブル



作家たちの溢れる創造力の秘密を鮮やかに解き明かし、芸術界のみならず思想界にも強大な影響を与えたアール・ブリュット論の古典的名著、ついに邦訳。



図版多数、ジャン・デュブュッフェによる序文



「この本におけるわれわれの意図は、アール・ブリュットの全体的パースペクティブを提供するとともに、そのいくつかの特殊性を明らかにすることである。」(序言より)

序文(ジャン・デュブュッフェ)

序言

第一章 アール・ブリュットの前史
  子ども、狂人、原始人……
  文化的植民地主義
  ロドルフ・テプフェール
  ヴィクトル・ユゴーの霊媒的デッサン
  文化のなかの不安
  郵便配達人シュヴァルの宮殿
  クラレンス・シュミットとシモン・ロディア
  最初の精神医学的コレクション
  内部の敵
  アール・ブリュット・コレクション

第二章 ブリコラージュ(器用仕事)と野生性
  クレマン
  アール・ブリュットと子ども芸術
  オーギュスト・フォレスティエとアンドレ・ロビヤール
  ブリコラージュ(器用仕事)の美学
  素材の先導力
  アール・ブリュットと「プリミティビズム」
  メゾヌーヴ
  ポール・エンド
  素朴芸術とアール・ブリュット
  ガストン・デュフ
  分類の転覆

第三章 孤立した作品
  ギヨーム・ピュジョル
  性的問題
  表象のイデオロギー
  可視性の神話
  エミール・ラチエ
  ハインリッヒ=アントン・ミュラー
  ジュール・ドゥーダン
  「意味を取り去ること」
  パランとエマニュエル
  書記(エクリチュール)と形象
  アドルフ・ヴェルフリ

帰還不能地点
  逸脱の医療化
  カルロ
  収容の副次的効用
  アロイーズ
  「内面の旅人」
  オーギュスタン・ルサージュ
  交霊術のアリバイ
  ジャンヌ・トリピエ
  署名の否認
  社会的差別と創造
  ロール・ピジョン
  最終的仮説

訳者あとがき
図版リスト
参考文献
人名索引

ミシェル・テヴォー[ミシェル テヴォー]
ミシェル・テヴォー Michel Th?voz/1936年生。ローザンヌ大学を卒業後、フランス社会科学高等学院で学ぶ。ローザンヌ州立美術館員を経て、1976年からローザンヌのアール・ブリュット・コレクションの館長を務める。美学を精神分析や哲学、社会学と関連させる多くの著作がある。訳書に『安らかな死のための宣言』(共著、菊池昌実訳、新評論、1993年)、『不実なる鏡 絵画・ラカン・精神病』(岡田温司、青山勝訳、人文書院、1999年)がある。

杉村 昌昭[スギムラ マサアキ]
杉村 昌昭(すぎむら・まさあき) 1945年生。名古屋大学大学院文学研究科修士課程修了(仏文学専攻)。現在、龍谷大学名誉教授。著書に『漂流する戦後』(インパクト出版会、1988年)、『資本主義と横断性』(インパクト出版会、1995年)、『分裂共生論』(人文書院、2005)、共編著に『既成概念をぶち壊せ!』(晃洋書房、2016年)がある。訳書多数。近年の翻訳に、ロルドン『私たちの“感情”と“欲望”は、いかに資本主義に偽造されてるか?』(作品社、2016年)など。

内容説明

作家たちの溢れる創造力の秘密を鮮やかに解き明かし、芸術界のみならず思想界にも強大な影響を与えたアール・ブリュット論の古典的名著、ついに邦訳。

目次

第1章 アール・ブリュットの前史(子ども、狂人、原始人…;文化的植民地主義 ほか)
第2章 ブリコラージュ(器用仕事)と野生性(クレマン;アール・ブリュットと子ども芸術 ほか)
第3章 孤立した作品(ギヨーム・ピュジョル;性的問題 ほか)
第4章 帰還不能地点(逸脱の医療化;カルロ ほか)

著者等紹介

テヴォー,ミシェル[テヴォー,ミシェル] [Th´evoz,Michel]
1936年生。ローザンヌ大学を卒業後、フランス社会科学高等学院で学ぶ。ローザンヌ州立美術館員を経て、1976年からローザンヌのアール・ブリュット・コレクションの館長を務める

杉村昌昭[スギムラマサアキ]
1945年生。名古屋大学大学院文学研究科修士課程修了(仏文学専攻)。現在、龍谷大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Akihiro Nishio

24
現在アール・ブリュット本を翻訳しており、3訳目に入ったので改めて関連書を読む。この段階で読むと、元のフランス語が手に取るようにわかり、訳語決定に大変参考になる。内容的には、多くの作品の写真が綴じられているため、作品の精神医学的解説が多い。とは言え、その内容は難解であり、例えばアロイーズがなぜ治癒していると言えるのか、自分には読んでも理解できなかった。アール・ブリュットの作家は、精神科診断的には狂っている必要はないが、社会規範からの逸脱・芸術創造性という意味では狂っていると言える、というところが結論か。 2018/09/10

takao

3
ふむ2022/11/03

保山ひャン

1
日本では福祉との関連で語られがちなアール・ブリュットについての本。デュビュッフェは「消化不良患者や関節痛の患者の芸術がないのと同様に狂人の芸術もない」と言い、テヴォーは「アール・ブリュットは定義とは無関係であり、定義によって縛られないものの名前なのである」と言う。本書ではヴェルフリ、アロイーズを特に詳しく紹介しており、精神医学との対決姿勢すら感じる内容になっていた。デヴィッド・クーパーの図表を援用した解説もあり。あと、バンド・デシネの創始者テプフェールに触れていたのがちょっと驚き。2018/03/07

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