出版社内容情報
絶対的平等を要求する集団的主体への生成変化
いまや所与の環境となった新自由主義。経済はもとより、政治社会システム、人々の価値観をも変えたこの統治技法は、「自由放任」による統治ではなく、社会全体を競争原理で満たす介入主義的統治である。本書第一部では新自由主義的統治の先駆的分析であるフーコー『生政治の誕生』、デリダ/アガンベン「例外状態の常態化」の理論を精密に読み解き、統治の本質を析出する。そして第二部では抵抗戦略として、2010年代以降の闘争をふまえ、ネグリ=ハート、バトラーのアセンブリ(集団形成)の理論を分析。服従化と社会的排除を強いる現代的権力に対抗する絶対的創造性としての抵抗の戦略を、その最深部において構築する。
「マイノリティの置かれた不安定(プレカリアス)な「状態」を目前にすることで、マジョリティがそれに触発されてマイノリティ性へと生成変化=脱服従化し、マイノリティも自らの不安定(プレカリアス)で服従化された「状態」に止まることなく生成変化=脱服従化して、両者が共に不安定性(プレカリティ)に対抗するアセンブリを形成すること--そのような実践こそが、権力諸装置による主体化=服従化とその再生産に、さらには社会的排除のメカニズムに抵抗しうる、集団的脱服従化の実践なのである。」(本書より)
※本書は『新自由主義と権力』(2009年)の内容を大幅に変更し、題名を改めたものです。
【目次】
序論
第一部 新自由主義と権力
第一章 新自由主義的統治とは何か
第一部への序論
1・1 ポスト・フォーディズム的統治性
1・2 新自由主義的統治性
1・3 人的資本としての主体
1・4 別様の自己統御の可能性としての主体化
第二章 規律権力から環境介入権力へ
2・1 環境の設計
2・2 規律権力の市場化
第三章 生権力/生政治とは何か――レイシズム、自由主義、新自由主義
3・1 『社会を防衛しなければならない』――生権力とレイシズム
3・2 『安全・領土・人口』、『生政治の誕生』――生政治、自由主義、新自由主義
3・3 『人種・国民・階級』――新自由主義とレイシズム
第四章 主権権力の強化と例外状態の常態化
4・1 統治パラダイムとしてのセキュリティ
4・2 現実的なものの規範化
第五章 立憲デモクラシーの危機と例外状態
5・1 「政治的なもののテロス」としての戦争
5・2 例外状態の常態化と「法律の力」
補論 民主主義の自己免疫とその反転――デリダと「来るべきデモクラシー」
1 民主主義の自己免疫
2 自己免疫の反転
第一部への結論――規律社会から排除社会へ
第二部 新自由主義権力への抵抗戦略
第六章 アセンブリ、不プ レカリティ安定性、行パフォーマティヴィティ為遂行性――バトラー『アセンブリ』
第二部への序論
6・1 「アセンブリ」とは何か
6・2 不安定性(プレカリティ)
6・3 行為遂行性(パフォーマティヴィティ)
第七章 戦争 とレイシズムの時代における非暴力のマニフェスト――バトラー『非暴力の力』
7・1 相互依存から非暴力へ
7・2 反レイシズムから国家暴力の批判へ―――フーコー、ファノン、ベンヤミン
7・3 フロイトの戦争論と非暴力の哲学
7・4 アナーキズムからコミュニズムへ
第八章 マル チチュードの絶対的創造性をいかに持続させるか――ネグリ= ハート『アセンブリ』
8・1 『叛逆』から『アセンブリ』へ
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