人種の母胎―性と植民地問題からみるフランスにおけるナシオンの系譜

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人種の母胎―性と植民地問題からみるフランスにおけるナシオンの系譜

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  • サイズ 46判/ページ数 416p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784409041277
  • NDC分類 367.235
  • Cコード C3010

出版社内容情報

解きがたく結びついた性と人種



17・18世紀のフランスでは、女性はか弱く虚弱な身体を持つゆえに劣っているとされ、その不健康さは男女の不平等を正当化するものであった。この性的差異の概念化が、いかにして植民地における人種化の理論的な鋳型となり、支配を継続させる根本原理へと変貌をしたのか、その歴史を鋭く抉り出す。



「女性医療なくして人間〔=男性〕科学はない」というのが、私の仮説の一つとなる。言い換えれば、《人間〔Homme:男性〕》は、みずからを自分自身の知の対象とすべく、主に自らを脱中心化するという間接的な手段で、徐々に構築されていった。つまり、人間〔=男性〕が最初に対象にしたのは自分自身ではなく、まさに伝統的にサバルタン〔従属的地位にあるもの〕として見なされていた身体――女性の身体――を対象としたのである。

(「プロローグ」より)



原書:Elsa Dorlin, La Matrice de la race. Genealogie sexuelle et coloniale de la Nation fran?aise,

?dition la decouverte, 2009.



◎目次

Ⅰ 女性たちの病気

 第1章 気質

  性(セックス)の発明/性(セックス)平等の哲学



 第2章 病気に性別はあるのか

  鬱(うっ)血した者、窒息した者、取り憑かれた者

  ヒステリー――プロテウスか、あるいはキメラか



 第3章 突然変異の身体――娼婦、アフリカ人女性、女性同性愛者

  先例――《悪魔の雌ラバ》/異常興奮者と女性同性愛者



 第4章 異常興奮と罰

  異常興奮からニンフォマニアへ/ヨーロッパ人女性を再女性化する



Ⅱ 国民(ナシオン)の生成

 第5章 階級闘争という悪気

  たくましい農村女性――過渡期の健康モデル

  ニンフォマニアのメイドとヒステリーのブルジョワ女性



 第6章 《母》の誕生

  女性の健康概念の創出/出生主義派医師たちによるフェミニスト・レトリック



 第7章 産科学知の歴史的認識論(エピステモロジー)

  産婆(マトロヌ)と助産婦/女性の秘密vs産科学知



 第8章 母乳、血、大地

  怪物的造物主(デミウルゴス)――乳母たち/人口減少から退化 

 

内容説明

解きがたく結びついた性と人種。17・18世紀のフランスでは、女性はか弱く虚弱な身体を持つゆえに劣っているとされ、その不健康さは男女の不平等を正当化するものであった。この性的差異の概念化が、いかにして植民地における人種化の理論的な鋳型となり、支配を継続させる根本原理へと変貌をしたのか、その歴史を鋭く抉り出す。

目次

1 女性たちの病気(気質;病気に性別はあるのか;突然変異の身体―娼婦、アフリカ人女性、女性同性愛者;異常興奮と罰)
2 国民の生成(階級闘争という悪気;“母”の誕生;産科学知の歴史的認識論;母乳、血、大地)
3 人種の発明(植民地に試される“国民”;人種主義の系譜学;「ニグロの病気」)

著者等紹介

ドルラン,エルザ[ドルラン,エルザ] [Dorlin,Elsa]
1974年生。哲学者。2004年ソルボンヌ大学(旧・パリ第四大学)で博士号を取得後、パンテオン・ソルボンヌ大学哲学科で准教授として哲学史および科学史を講じたのち、パリ第八大学政治学科教授を経て、2021年からトゥールーズ・ジャン・ジョレス大学哲学科教授。フランスへのブラック・フェミニズムの紹介者としても知られ、2000年中葉以降のフランスにおける新たなフェミニズムの潮流をフランス科学認識論の立場から思想的に支える最も重要な哲学者のひとりである。本書の他、フランツ・ファノン賞受賞の『自己防衛―暴力の哲学』(2017年)等がある

ファヨル入江容子[ファヨルイリエヨウコ]
1978年生。甲南大学文学部人間科学科専任講師。専門は、現代フランス哲学、フェミニズム・ジェンダー思想史。2010年フランス国立レンヌ第一大学哲学科Master2課程修了(Master2・哲学)。2018年一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程修了(博士・学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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