内容説明
温暖化や感染症など、生きる基盤である地球が揺らいでいる現代、人間の生の営みはどう変わるのか。本書は、哲学、文学、人類学、建築、歴史など、さまざまな分野の研究者たちによる、新たな人文学を拓く試みである。人間中心主義を換骨奪胎し、変転しつづける環世界と人間の関係を追う。
目次
第1部 生の理論的考察(ユクスキュルにとっての“環世界”―人間・認知・外の世界;ユクスキュルの「問い」と「方法」―円環と螺旋の自然学;イマージュ・アニマル―哲学的動物論と環世界 ほか)
第2部 生の諸世界(あらたな環世界をひらく―そして人類学者は腹を下す;多元世界としての森を生きる―インド・西ガーツ山脈における自然保護と在来性;太陽・土・廃棄物―絡まり合いとしての建築 ほか)
第3部 歴史にみる生の実践(地域環境史の自然観論―琵琶湖産フナ属のコード化をめぐって;食糧危機は天災なのか―日本近世の飢饉研究の新視点;たたら製鉄と百姓成立―近世百姓の生業を考える ほか)
著者等紹介
石井美保[イシイミホ]
京都大学人文科学研究所准教授。文化人類学
岩城卓二[イワキタクジ]
京都大学人文科学研究所教授。日本近世史
田中祐理子[タナカユリコ]
京都大学白眉センター特定准教授。哲学、科学史
藤原辰史[フジハラタツシ]
京都大学人文科学研究所准教授。農業史、環境史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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