出版社内容情報
テクストの起源やその伝播、果たしてきた機能などを人文諸学問領域から見直すだけでなく、新たな方法論的地平をも追求する試み。
内容説明
新聞、雑誌、小説、年代記、日誌、聖典、教科書、マニュアル、地図、カレンダー、手紙、覚書、特許状、土地証書、召喚状、訴状、注文書、領収書…。記憶や思考、表現や伝達などの知的活動を行う際、いつごろからわたしたちは、テクストに深く依存するようになったのだろうか。テクストはどうやってわたしたちの社会に広まり、その過程で、わたしたちの生活様式や社会制度、考え方や感じ方はどう変わったのだろうか。テクストという道具のあり様とその扱い方に注目することで、人間の知的活動を問い直す人文諸科学の学際研究。
目次
1 諸学(書誌学と文学研究のテクスト学的融合のかたち―イギリス一八世紀文学を中心に;古文書学から史料論へ;史料学の試み―「モノとしての史料」を問い直す ほか)
2 方法(目安往来物というテクスト―ある特異な史料の収集・分析・解釈;地図研究を組み立てる;発展途上国における文書と生存―ボリビアの職業訓練工房におけるアクション・リサーチの試み ほか)
3 実践(紙の辿った道―中国とヨーロッパの狭間のイスラム世界;貝葉写本のテクスト学―「タム文字写本文化圏」を中心とする若干の考察;ベトナムにおけるターイ語表記 ほか)
著者等紹介
齋藤晃[サイトウアキラ]
1963年生まれ。国立民族学博物館先端人類科学研究部准教授。文化人類学、ラテンアメリカ研究。征服以降の南米先住民の社会と文化の変容過程の研究に従事する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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