内容説明
戦争や植民地支配の血なまぐさい歴史の背後で繰り返されたナショナルな表象をめぐる闘争。「欧化主義と日本回帰」「転向」「近代の超克」等々、時代のイデオロギーの中で自らの思考の基盤を問い続けてきた著者の40年にわたる反省と考察の跡をたどる。
目次
1 欧化と回帰―「日本」という表象をめぐって
2 欧化と日本回帰・再論―「戦争」と「戦後」を改めて考える
3 日本におけるフランス―マチネ・ポエティク論
4 旅の思想―森有正における「日本回帰」について
5 河上肇の『自叙伝』―河上肇における「没落」と「文学」
6 日本回帰とネオナショナリズム―支配のイデオロギー
7 江藤淳における「戦後」と「日本回帰」―無条件降伏論争をめぐって
8 三島由紀夫における日本回帰
著者等紹介
西川長夫[ニシカワナガオ]
1934年生れ。1960年京都大学文学部フランス語フランス文学科卒業。65年京都大学文学研究科博士課程修了。67‐69年パリ(ソルボンヌ)大学留学。75‐77年パリ第三大学東洋語東洋文化研究所講師。83‐85年モントリオール大学客員教授。現在、立命館大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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