内容説明
「グローバルな帝国」がもたらした文化の世界化のなかで、モダニズムはどこに向かうのか。芸術と政治のはざまで格闘するアヴァンギャルド。近代の監視と保持に向けられる同時代的視線。
目次
第1章 記憶からいまへ(後期全体主義における言葉の抵抗力―クンデラとハヴェルをめぐって;抑圧との闘い;裏切りの政治学―中国モダニスト穆時英の選択 ほか)
第2章 個としての記憶(越境を生きたスペイン女性作家たち―ルシーア・サンチェス・サオルニルとマリア・テレサ・レオン;死と再生のカオスモス―アンドレイ・プラトーノフ『土台穴』論;マリネッティの“自由語”を読む ほか)
第3章 記憶の偏差(ファシズムの表象―ジュゼッペ・テラーニの建築をめぐって;ロシア革命と民衆の記憶;現代ドイツにおける「記憶の文化」について ほか)
解題 果てしない“裏切り”のために