内容説明
アドルノを起点に照らされる知識人たちの理論と実践。知識人の言葉は、真空空間で生み出されるわけではない。戦後民主主義を模索するドイツで、思想家・文学者たちはどのような現実と格闘していたのか。書籍、講演、学生運動との討論等の分析から、自己省察と対話を掲げ葛藤する知識人の新たな姿を描く。
目次
第一章 「自己省察」的な知識人の始まり
第二章 アドルノによる二つのハイネ講演、あるいは文化批判と社会
第三章 押しよせる抗議運動の波とアドルノによるメディア実践―ゲーレンとのテレビ・ラジオ対談
第四章 ハーバーマスとアドルノの結節点―「自己省察」的な社会批判の射程
第五章 国家と抗議、ハーバーマスから見た六八年―ゲーレンによる制度論との対峙
第六章 詩と社会をめぐるエンツェンスベルガーの問題圏―アドルノへの批判的応答、『点字』から『時刻表』へ
第七章 歴史を媒介とした文学と政治的実践の架橋―『時刻表』に隠された「さまざまな五つの詩」
第八章 作家、そして知識人としてのエンツェンスベルガー―『ハバナの審問』における「自己省察」の文学的創出
終章 後期近代における知識人の役割
著者等紹介
橋本紘樹[ハシモトヒロキ]
1992年、滋賀県生まれ。専門は、47年グループやフランクフルト学派を中心とする現代ドイツ文学・思想。九州大学大学院言語文化研究院助教。松山大学経済学部特任講師を経て、2023年度より現職。主要論文に「アドルノにおけるハイネ講演、あるいは文化批判と社会」日本独文学会機関誌『ドイツ文学』第156号(第59回ドイツ語学文学振興会奨励賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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