内容説明
個物の救済からすべての人間を言祝ぐ“真の普遍史”へ。「歴史」に翻弄された思想家ベンヤミンは、「歴史」をどう捉えていたのか―ドイツ精神史との対話、同時代人との対決のなかにベンヤミンの思考の軌跡をたどり、その未完の「歴史哲学」の核心に迫る。「些細なものへの畏敬心」を胸に“真の普遍史”を追求した思想家の姿を、新たな角度から描き上げた画期的論考。
目次
第1章 形態と歴史―ベンヤミンのグンドルフ批判
第2章 文献学と歴史―グリムからベンヤミンへ
第3章 寓意と歴史―ベンヤミンにおける「救済史」の理念
第4章 原型と歴史―ベンヤミンのクラーゲス読解
第5章 技術と歴史―ルカーチからベンヤミンへ
第6章 言語と歴史―ベンヤミンにおける「普遍史」の理念
著者等紹介
宇和川雄[ウワガワユウ]
1985年愛媛県松山市出身。京都大学文学部で美学を、同文学研究科でドイツ文学を学ぶ。京都大学文学研究科博士後期課程を出た後、『ミクロロギーと普遍史―ベンヤミンの歴史哲学』で京都大学博士号(文学)を取得。現在、関西学院大学准教授。専門はヴァルター・ベンヤミンと近現代ドイツ語圏の文学・思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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