アーレントのマルクス―労働と全体主義

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アーレントのマルクス―労働と全体主義

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  • サイズ B6判/ページ数 340p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784409030974
  • NDC分類 311.253
  • Cコード C3010

出版社内容情報

アーレントはなぜこれほどまでにマルクスを「誤読」したのか?アーレント思想の核心に迫る力作アーレントはなぜこれほどまでにマルクスを「誤読」したのか?



『全体主義の起源』発表後、アーレントはマルクス研究に没頭した。その成果は、七年後、『人間の条件』に結実する。アーレントはどのようにマルクスを読み、そこに何を見出したのか。誤読・曲解と評されるマルクス批判に、アーレントの可能性の中心を見出す、新鋭による力作。



「今日、再び全体主義の危機が到来しつつあるのだとすれば、その危機はわれわれの社会が抱える「労働」あるいは「雇用」の問題と深く結びつきながら、世界中でその姿を現わしつつあると見ることができるのではないか。「アーレントのマルクス批判」から導き出される「労働と全体主義」というテーマを深掘りしていくことによって、われわれはアーレント思想の新たな魅力とその現代的意義を引き出すことができるだろう。」(本書より)

序章 いま、なぜアーレントなのか?
1 問題関心
2 先行研究
3 労働と全体主義
4 本書の構成

第一章 『全体主義の起源』と『人間の条件』のあいだ
1 アーレントのマルクス研究
2 労働が人間を創造する
3 「マルクス批判」から「西欧政治思想の伝統」批判へ
4 労働・仕事・活動の区別
5 「壁としての法」から「運動法則としての法」へ
6 資本主義と全体主義の通底性
7 マッカーシズムにおける「新たな全体主義」の危機

第二章 アーレントとマルクスの労働思想比較
1 「労働」と「仕事」の定義
2 近代における労働観の反転
3 マルクスは労働を「賛美」したか?
4 「労働」と「仕事」の境界線
5 マルクスの「アソシエイトした労働」
6 「キメラ化した労働」に抗して

第三章 労働・政治・余暇
1 マルクスの「はなはだしい矛盾」?
2 労働と政治からの二重の解放
3  「事物の管理」と「無人支配」
4 ナチス的余暇政策
5 〈労働する動物〉の勝利した社会
6 アーレントとマルクスの交差点

第四章 「社会的なもの」の根源
1 「自然なものの不自然な成長」とは何か
2 ノモスの決壊とピュシスの流入
3 円環的な自然の運動と直線的な人間の生
4 「社会的なもの」と「生政治」
5 「自然」と「労働」の必要性=必然性
6 「世界」と「社会」の対立

第五章 「余計なもの」の廃棄
1 資本の膨張と権力の膨張
2 「余計なもの」としてのモッブ
3 人種主義の導入
4 大国帝国主義、種族的ナショナリズム、汎民族運動
5 「余計なもの」としての無国籍者たち
6 人間を「余計なもの」にするシステム
7 全体主義の回帰?

第六章 〈労働する動物〉に「政治」は可能か?
1 労働者の公的領域への「現われ」
2  「始まりの出来事」としてのハンガリー革命
3 〈労働する動物〉と「労働者」の差異
4 「束の間のユートピア」としての評議会空間?
5 構成・憲法・国制
6 「活動」と「仕事」の補完関係

終章 「労働」から「仕事」へ
1 アーレントがマルクスから学んだもの
2 「労働」することと「仕事」すること
3 テーブルとしての「世界」
4 労働・仕事・活動の三角形バランス

あとがき

参考文献

百木 漠[モモキ バク]
著・文・その他

内容説明

『全体主義の起源』発表後、アーレントはマルクス研究に没頭した。その成果は、七年後、『人間の条件』に結実する。アーレントはどのようにマルクスを読み、そこに何を見出したのか。誤読・曲解と評されるマルクス批判に、アーレントの可能性の中心を見出す、新鋭による力作。

目次

序章 いま、なぜアーレントなのか?
第1章 『全体主義の起源』と『人間の条件』のあいだ
第2章 アーレントとマルクスの労働思想比較
第3章 労働・政治・余暇
第4章 「社会的なもの」の根源
第5章 「余計なもの」の廃棄
第6章 “労働する動物”に「政治」は可能か?
終章 「労働」から「仕事」へ

著者等紹介

百木漠[モモキバク]
1982年生まれ。京都大学人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。2018年4月から立命館大学専門研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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PETE

2
『起源』第1版を出した後のアーレントがマルクスの再検討に入り、マルクスの労働概念に対して甚だしい誤読を加えながら、仕事とその産物である安定した世界を労働とその相関者である自然と区別することを発見し、『人間の条件』における、「労働する動物」と社会的なものの侵食という主題を導き出したという分析。アーレントの思想の分析として大変バランスがとれていて、終章における、活動と製作の相互依存が現代において危機に陥っているという示唆は、ポストトゥルース、人文学の危機といった、著者の近著の主題につながる興味深いものだった。2022/05/05

arakan

1
アーレントはマルクスの思想と格闘しつつ、時に意識的な「誤読」をすることで、「労働」と「全体主義」の親和性を見出し、独自の思想を創り出したとする知的好奇心を刺激して止まない論考。『人間の条件』でアーレントが提示した「労働」、「仕事」、「活動」というユニークな概念は、『全体主義の起源』の発表後、マルクスを批判的に読むことで抽出されたのかもしれない。 アーレントの思想の内容はもちろん、批判的な読書とは何かが具体的にイメージできて非常に有意義な本で、『人間の条件』を再読したくなる。2021/12/30

しんしん

1
「人間を余計なものにする」全体主義が、忌まわしきナチが犯した過ぎ去った過去の問題ではなく、形を変えて現代社会に回帰しうる問題である。と、アーレントは繰り返し強調していたという。 また「余計なもの」を迅速に解決してみせた絶滅工場が、警告になると同時に魅力的なものになると、「全体主義的な解決策」が強力な誘惑をともなって現れてくるだろうと。 恐ろしい過去の過ちが、その魅力に負け現代にも再び現れうるとのは、自分自信のの価値判断において十分に気をつけなければならない重要なこととして認識しようと思った。 2020/03/22

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