内容説明
『高等魔術の教理と祭儀』、『魔術の歴史』に続く、レヴィ“魔術三部作”の完結篇。近代オカルティズムの祖と称されるのにふさわしく、社会変革の夢に裏打ちされたその隠秘学は、ボードレール、リラダン、マラルメ、イェイツ、ジャリ等の同時代の象徴派詩人はもとより、ブルトンを始めとするシュルレアリスト、ジョイス、ミラー等の現代の重要な作家たちにも絶大な影響を及ぼしつづけている。わが国においても、日夏耿之介、生田耕作、澁澤龍彦等の熱讃者が後を絶えない。三部作の掉尾を飾る本書において、大奥義の何たるかがようやく明かされることになるのか否か、はたして如何。
目次
第1部 宗教の神秘
第2部 哲学の神秘
第3部 自然の神秘
第4部 実践の大いなる秘奥あるいは学問の実現
補遺
黒魔術に関する文献
著者等紹介
レヴィ,エリファス[レヴィ,エリファス][L´evi,´Eliphas]
本名Alphonse‐Louis Constant(アルフォンス=ルイ・コンスタン)、19世紀フランス・オカルティズムの鼻祖。1810年パリ生れ。初めは聖職者を志し神学校で学ぶが、やがて社会主義思想に目覚め、女権運動の先駆けであるフロラ・トリスタンらと親交を結ぶ。革命思想の反映した宗教書を執筆し投獄されたりもするが、1848年の二月革命を経て徐々に政治から離れていき、1853年、本名をヘブライ語名エリファス・レヴィと改め、オカルティストとして生れ変わる
鈴木啓司[スズキケイジ]
1958年大阪府生れ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所を経て、名古屋学院大学外国語学部教員。専門は19世紀フランス文学、とりわけ世紀末デカダンス・オカルティズム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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