内容説明
「問題はニグロなのだ」という挑発的な一文から始まる本書は、「奴隷のダンス」という身体表現行為に着眼して著された、きわめてユニークな奴隷制期カリブ海地域史である。S・ホールのように、奴隷制プランテーションを、生産様式の関係性だけでなく、イデオロギーの次元の関わりをも重視しながら描き出す。奴隷制植民地についてのこれまでの歴史観を奴隷の側から転覆し、ヨーロッパ中心主義的な世界史の書換えをも突きつける。好評既刊書『“複数文化”のために―ポストコロニアリズムとクレオール性の現在』の続篇。
目次
第1部 カリブ海地域のエスニックな構成要素(カリブ人;ヨーロッパ系人;アフリカ系人)
第2部 ヨーロッパと植民地、そして「奴隷像」の形成(ヨーロッパ人と黒人;植民地、「黒人」か「ニグロ」か;ニグロのダンスのイメージ)
第3部 カリブ海地域の奴隷制社会(「人種」的混淆;社会的分化と社会的緊張;体制の錯乱)
第4部 奴隷とダンス(奴隷の生きられた空間におけるダンス;抵抗としてのダンス)
著者等紹介
アンチオープ,ガブリエル[アンチオープ,ガブリエル][Entiope,Gabriel]
1947年生。モスクワ、パリ大学に学ぶ。歴史学博士(カリブ海地域史専攻)
石塚道子[イシズカミチコ]
1946年生。お茶の水女子大学教員。カリブ海地域研究専攻
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感想・レビュー
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