出版社内容情報
いま日本に必要なもの、それは美学である――。
【『草舟言行録』刊行にあたって(一部抜粋)】
私には何もない。
私には価値がない。
その私の言行録がシリーズとして出版されるという。
この意味が分かれば、
現代の問題の多くが氷解されて行くように思われる。
価値のない人間の価値を
求める時代が来たのかもしれない。
現代人は、
多くの価値を求め過ぎたのではないか。
私にはそう思われてならない。
多くの意見と多くの価値に、多くの人々が
押し潰されようとしているのではないか。
もし私のような者に価値があるなら、
それは持っている価値が少ない人間だ
ということに尽きるだろう。
現代が、この私の思想と生き方の中に
求めるべきものを見出すなら、それは
「人生とは単純なものである」
という真実しかない。
私は一つの生き方しかする気がない。
私は一つの価値しか持つつもりがない。
私はひとりの人間しか愛するつもりがない。
私の国は一つであり、
私の家族は一つしかなく、
私の思想もまた一つしかない。
人間にとって、
大切なものは一つしかないのだ。
その一つを見つけ出すためにだけ、
私の思想とその著作群
そして諸講演の価値はあると思っている。
私に触れる方々は、
みなその一つを見出してくれるに違いない。
〔草舟言行録Ⅰ 『日本の美学』収録内容〕
第一篇 武士道と生命燃焼
第二篇 日本人の読書
第三篇 これからの日本を考えるために
第四篇 政治家に必要な美学
内容説明
日本の本質とは何か、人間の本源とは何か―。いま、日本に必要なもの―それは美学である。
目次
1 生命燃焼と武士道(生命はボロボロになる存在;自己を捧げ尽くす愛 ほか)
2 日本人の読書(命懸けの読書;読書の心掛け ほか)
3 これからの日本を考えるために(日本は理想を失なっている;武士道は血の中にある ほか)
4 政治家に必要な美学(政治家に必要なのは美学;人類的な視点とは ほか)
著者等紹介
執行草舟[シギョウソウシュウ]
昭和25年、東京生まれ。立教大学法学部卒業。著述家、実業家。生命の燃焼を軸とした生き方を実践・提唱している生命論研究者。また、独自の美術事業を展開しており、執行草舟コレクション主宰、戸嶋靖昌記念館館長を務める。蒐集する美術品には、安田靫彦、白隠、東郷平八郎、南天棒、山口長男、平野遼等がある。魂の画家・戸嶋靖昌とは深い親交を結び、画伯亡きあと全作品を譲り受け、記念館を設立。その画業を保存・顕彰し、千代田区麹町の展示室で公開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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