内容説明
世界各地の廃墟となっている城・教会の美しい遺構を、有名無名を問わず約70件掲載。朽ち寂れ静かに佇む建造物から、往年の栄華を想像するも良し、ダークファンタジーな世界を夢想するも良し、廃墟ならではの魅力を存分に堪能できる1冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
122
廃墟マニアではないのでその手の建物を見て回ったことはないが、旧ソ連時代のロシアでは共産党支配下で内部がボロボロになった廃教会があった。中央アジア諸国や中国ではモスクや仏教寺院が博物館や政府の展示場に転用されていたが、これも本来の目的外に強制利用され実質的に廃墟と化した例か。本書に収められた廃城や廃教会も、大部分が政治的事件や戦争が原因で放棄されている。建築はいつかは建て直さねばならないが、かかった費用や人員を想えば「美しい廃墟」とは無駄な浪費の果てなのでは。日本各地にある廃墟ホテルより美しいのは確かだが。2021/10/24
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
57
廃墟マニアではないけれど、見かけたら手に取ってしまう。写真がとても素晴らしく、廃墟といっても、美しさを備えたようなものばかり。特に森の奥にひっそりとある廃教会は幻想的だった。いくつか詳細不明のものもあり。関係ない話ですが、淡路島にある世界平和大観音の解体が決まったよう。所有者が死亡し10年放置され、解体費用は8億9000万円。日本の廃墟ってこの観音様同様な、センスの欠片のないものが多いと思うのは私だけかしら・・。約9億円の解体って税金?!2021/05/22
スプーン
45
幻想的でロマンチックな廃城・廃教会。役目を終えた建物たちは静かに余生を送っていました。2021/03/11
がらくたどん
35
最近家人が購入してきた写真集。本人は廃墟マニアではないがプラモデル好きなので「こんなのが作りたい」そうだ。そのうち小っちゃい廃城とかが出来るかもしれない。それにしても打ち捨てられて尚これだけ美しいのは凄いと思う。ヨーロッパの地盤と建材の堅牢さがあればこそ。曇天の写真が多いが、人気のないがらんどうの回廊が明るい陽光を浴びている姿も良いものだと思う。崩れた壁から光の差し込む城の地下牢なんて、もうゾクゾクである。写真を眺めるだけで、「絶対何かが潜んでいるに違いない」という気分にもなる妄想膨らむ楽しい本。2021/10/15
ブックマスター
33
図書館。世界各地に現存する(取り壊されたものも有り)廃城と廃教会の写真集。短めの説明文つきだったが、歴史に疎い者にとっては難しかったので、写真を眺めただけ。建物そのものの美しさと、建物を取り巻く背景や景色に目を奪われるものが多かった。霧に包まれた廃城や、天井が朽ち落ちて空が拝める修道院に花が咲き乱れる修道院、夜空と廃城など、思わず「絵画みたい」と感じるほどに美しい写真がいくつも収められていた。ベルギーの、まさに城!という出で立ちのミランダ城がお気に入りかな。かつてそこにあった営みを想像するのも楽しいかも。2021/09/30