内容説明
最初に砲撃したのは、予想通り米艦隊の戦艦群からで、彼我の距離35000メートルあたりでの発砲だ。もっともアイオワ級戦艦の主砲は、砲口径40.6センチ(16インチ)のMk7だから、最大射程は38700メートルに達するので、有効射程内ギリギリでの発砲である。当然この距離では、第一射から命中弾を期待しているわけではなく、近弾と遠弾を交えて、定石どおり四射か五射目辺りで、至近弾ないしは命中弾を狙っていた。これに対して大和型戦艦の主砲46センチ砲は、最大射程40800メートルだから、彼我が35000メートルとなると、充分有効射程内である。それだけに最初の斉射から、着弾点が近弾となることを狙っていた節がある。いっぽう、最大射程こそ37070メートルと短いが、就役後20年以上もの年数を経過していた長門と陸奥は、完璧な射程表と発射諸元が揃っていたから、二射目には、もう至近弾を記録しており、主砲8門の斉射も、三射目、四射目あたりから、命中精度が急速に増していた。大和・武蔵・長門Vs.アイオワ級4隻日米戦艦が正面激突。
著者等紹介
高貫布士[タカヌキノブヒト]
神奈川県出身。1956年生まれ。学生時代に、軍事評論家小山内宏氏、航空評論家青木日出夫氏らが創設した軍事学セミナーで軍事学を修得。出版社勤務を経て、軍事アナリスト・作家として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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