内容説明
くう…!国友少尉は、口元に当てた酸素マスクのなかで、唇を噛みしめた。目の前で、また一機、零戦が火を噴いたからだ。国友少尉は、頭上から降ってきた別の双発双胴戦闘機の攻撃をかわすのが精いっぱいで、苦戦におちいった味方機を助けるゆとりがない。反転して双発双胴機を追いかけようとしたが、これもやはり急降下速度に差がありすぎた。敵は、一撃だけかけては逃げてしまう。これでは零戦の出る幕がない。「あ…」頭上から降ってきた敵戦闘機の攻撃をかわしているうちに、一式陸攻の編隊に、別の戦闘機隊が攻撃をかけていた。
著者等紹介
菅谷充[スガヤミツル]
1950年、静岡県生まれ。小学生のとき松本零士氏の戦記漫画に憧れ、航空戦記漫画を描き始める。高校時代から石ノ森章太郎氏に師事し、’72年『仮面ライダー』(原作・石ノ森章太郎)で漫画家デビュー。’83年『ゲームセンターあらし』で第28回小学館漫画賞受賞。’94年、近未来航空戦記『漆黒の独立航空隊』(有楽出版社)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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