内容説明
「命中です!少なくとも20本!」20本も当たれば戦艦とはいえ当然轟沈するはずだ。トッド少将は誘爆で上がるはずの火柱を期待しつつ双眼鏡で眺めていた。1年前、フッドはビスマルクのタマが弾薬庫に当たって誘爆し、ものすごい火柱を上げて爆沈した。これはその報復だ。だが次の瞬間、信じがたい光景がみえた。水柱がおさまると、敵艦は何ごともなかったように姿を現したのである。まったく傷ついていない様子だ。悪夢を見ているとしか思われない。魚雷20本をくらって無傷な軍艦がこの世にあるわけがない。しかしそれは実在したのである。
著者等紹介
田中光二[タナカコウジ]
昭和16年2月14日、京城生まれ。早稲田大学第二文学部卒。『黄金の罠』で第1回吉川英治文学新人賞受賞。現在、和歌山県白浜在住
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