内容説明
「撃て!」イ805の30センチ砲が火を噴いた。いわゆる砲側水準だが、至近距離だからほとんど水平撃ちに近い。1発がタラハシーの艦橋に命中、そこをスクラップにした。30センチ砲の威力はすさまじく、全艦を揺すぶり、炎が吹き上がった。火薬庫に火が入り、タラハシーは次の瞬間轟沈してしまった。しかし、これがイ805のあげた最後の戦果だった。殺到してきたプレデター級をふくむ護衛艦の砲弾が次々に命中し始めたからである。だが、その間にかれらが守るはずの新太平洋艦隊には、新たな災厄が忍び寄っていたのである。
著者等紹介
田中光二[タナカコウジ]
昭和16年2月14日、京城生まれ。早稲田大学第二文学部卒。『黄金の罠』で第1回吉川英治文学新人賞受賞。現在、和歌山県白浜在住
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