内容説明
たちまち長門の連合艦隊司令部は、善後策に侃々諤々となった。「飛行甲板が使えぬのでは、空母などがおっても、足手まといだ。やむを得ん、これも、ミッドウェーに戻すか?」「いや、そうなると、空母だけ離脱させるわけにはいかんぞ。駆逐艦を付けてやらねば。しかし、それは拙い」「いっそ真珠湾攻撃自体を中止するか?」「何を言っておる!重巡洋艦三隻も撃沈されて、戦死者も数多く出して、今さらおめおめと、尻尾を巻いて引き下がれるか!」「そうだ。帝国海軍の意地を見せねばならん」ここでまた、新間海将補が意見を求められることになった。「夜ですし、敵には、果たして空母六隻の飛行甲板が使用不能に陥ったか否かは、分からんでしょう。航行には何の影響もないはずですから―」。
著者等紹介
霧島那智[キリシマナチ]
1947年、静岡県生まれ。東京大学大学院博士課程修了
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