内容説明
「敵の魚雷は、雷跡を発生させていません。どうやら…」そこまで参謀が答えた時、右舷方向から大音響が届いた。あわてて艦橋の右舷側へ走ってみると、隣にいるコーラル・シーの向こう側で、コレヒドールが巨大な水柱に呑まれる瞬間が見えた。「でかい!あれは、ふつうの魚雷じゃないぞ!!」誰かが、惚けたように叫んだ。フレッチャーは、駆逐艦の放つ60センチ長魚雷の命中シーンなら、これまで何度か自分の目で見ている。だが、コレヒドールを1発で轟沈させた水柱は、ゆうに3倍以上の高さがあった。あれほどの威力を見せるとなると、100センチを超える大型魚雷…。
著者等紹介
羅門祐人[ラモンユウト]
昭和32年生まれ。福岡県出身。平成元年に、「自航惑星ガデュリン」(角川書店)にて小説デビュー。主に文明の仮想化(シム・シビライズ)をテーマとした架空戦記・架空時代小説を執筆中
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