内容説明
文壇きってのダンディ・吉行淳之介がその幅広い交友を通し、酒場での作法、酒飲みの極意を軽妙洒脱、艶やかな筆致で描き出した名エッセイ集。粋な男の粋な飲み方。
目次
1(不思議な一夜(酒中日記)
石川淳氏との一夜
ホテル暮らしのときの一週間
文壇「酒」交遊録
慶祝慶賀大飯店 ほか)
2(銀座反省道場;大泥酔;七七五九;ハザカイキ;酒場の勘定 ほか)
著者等紹介
吉行淳之介[ヨシユキジュンノスケ]
1924年4月13日~1994年7月26日。岡山市生まれ。1954年、「驟雨」で芥川賞を受賞。対談やエッセイの名手としても有名。女優の吉行和子、詩人・作家の吉行理恵は妹(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
32
戦争末期の物資欠乏時代から、週四で通った文壇バー時代までを豪快に束ねたエッセイ酒。お行儀よく読んではいけません、玉石混淆ちどり足。年代物の“文壇交遊記”で一杯ご一緒しません?至福なる饗宴読書を─2019/03/29
佐島楓
29
銀座の文壇バーという、今では数少なくなってしまった場所のおそらく一番良いころを知ってらっしゃる世代であり、戦後直後の劣悪な酒類の事情を知っていらっしゃる世代。相変わらずきわどい話も飛び出すが、そこは目を瞑る。飲み友達が多くいらっしゃったのも、酒場の女性にモテるのも、これを読めば納得できてしまう。2014/06/14
ぺぱごじら
16
若い頃は、会社の上司に月初の会議後によくスナックなどに連れていって貰いました。自分はいまその年代になりましたが、自分が余り飲まない質なので『行き付けの酒場』は未だに持っておらず、上司・先輩としては些か頼りないですね(苦笑)。吉行さんは昔から対談・エッセイ・小説と楽しく読んでいましたが、行間から居酒屋とは異なる独特の薫りを感じました。故人の吉行さんを慮り、彼が好んだであろう酒場や同時代を生きた作家さんたちとの愉快な裏話を中心に編集された一冊。たいへん良い編集です。2014-322014/02/16
ワッツ
3
吉行淳之介の酒場について書かれたエッセイの寄せ集め。いやぁ、痺れますなぁ。元々病弱なのにかなり呑んでるので、長生きするつもりはさらさらなかったのかしらん。やはり吉行さんはエッセイの達人であるということを再認識した。もっと沢山、吉行さんのエッセイを読みたいと強く思う。2023/03/15
beeline
1
身の周りに起きた日常の出来事を書くいわゆるエッセイなのに、最近の小説家やコラムニストの書く軽薄な文章と違って感じられるのは何故なんだろう。内藤陳の父親が小説家だったのは初耳でした。2015/11/12