出版社内容情報
犬だけが知る真実とは――
驚嘆&感動の長編ミステリー
都内の高級住宅地で一人暮らしの老女が殺害された。部屋には、かつて犬を飼っていた痕跡が残されていた。一方、雑誌記者の鶴崎は、あるスクープをモノにするためコンビニでアルバイトを始め――。人と犬の絆に感涙、想像を超える展開に一気読み必至の傑作ミステリー!
※犬はつらい目にあいませんので、愛犬家の皆さまも安心してお読みください。
解説/村井理子
――作家からも感嘆の声続々!――
「細かい違和感を憶えておいて。最後に『なるほど』と思うから」――貫井徳郎さん(作家)
「人生のほとんど全てを失ってしまったかのような人間が、一匹の犬と巡り会う。他者から見れば寂しい人生かもしれないが、一人と一匹にとっては、とても豊かな時間が流れていくに違いない。それがはっきりと見えるラストに感動した」--村井理子さん(翻訳家・エッセイスト 解説より)
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
信兵衛
23
とにかく読んでいて面白い。ページをめくる手が止まりません。 もの言わぬ小型犬ロングコートチワワのシロが、各章冒頭でその胸の内を語るという構成が絶品。そこにはいったい、どんな秘密が隠されているのか。 また、古いアパートで孤独かつ地味に暮らす松本が、飼い犬のシロを大事にする様子、松本の保護の下でシロが元気に過ごす様子が、とても愛おしくてたまりません。2025/10/04
NAOAMI
9
両親を金属バットで撲殺した少年が服役後、名を変えてコンビニ店員として社会復帰、殺された資産家の犬を「盗んだ」ことで、疑惑の渦中となる。彼を追う潜入ライター・コンビニの夜勤仲間、事件を追う犬アレルギー刑事と同僚。怨恨?金目的?どうやら飼い犬が連れ去られた?犯人の目的が解らす混沌。犬連れつながりから彼への疑惑を深める女性作家の病み具合、SNSへの書き込みからの病的な笑顔とか、事件そのものより恐ろしい。彼女の暗闇の理由も終盤明らかになるが後の祭りノンフォローと突き放す。「僕」が語る(!)真実のピュアさが沁みる。2025/10/13
ドロンジョ935
2
インパクトのあるタイトルと表紙のチワワのイラストがかわいくて手に取ったけど、ワンコ物はワンコが気になりすぎるからなぁ…と迷っていたら、裏表紙に「犬は辛い目に遭わない」とあったので購入。はらはらする場面でも安心して読めました。ワンコが気になりすぎて展開を追う余裕がなくなることもなく、ストーリーも追えました。2025/10/05
タスボ
1
88点ミステリーとしても、ワンコの気持ちもよくわかる。2025/10/17
さまのすけ
1
犬好きのミステリー愛好家にはそれなりに楽しめた作品。 ただ犬にあまり関心がない人からすると、ミステリーとしてはちょっと薄味かなと。 特にミステリー作家の小野寺真希が真相に近づいたものの、物語終盤に意外な形であっけなく退場したのは拍子抜け。 エピローグまで読み終えてから再度プロローグと各章冒頭の犬の心理描写を読み返すと思わず「あ、犬は確かに真実を知ってたんだ」とニャっとしてしまう点は秀逸だった。2025/10/10