出版社内容情報
それは夕食なのでは。
ヤバい仕事の後は腹が減る。
でも、食べたい時間に食べられない!
食欲のリズムとあわない、
コントロール不能な現実世界。
ヤクザから洗車を依頼された車のトランク付近に血痕を見つけてしまったガソリンスタンドの女性アルバイト(「グリーン・ゾーン」)
小麦アレルギー持ちの殺し屋(「内なる殺人者」)
国家権力を敵に回した写真週刊誌の女性編集者(「誰が為の昼食」)
食べるための仕事に従事することで、食べる暇もなくなっている男女を描く、3つの物語。
内容説明
食欲のリズムとあわない、コントロール不能な現実世界。ヤクザから洗車を依頼された車のトランク付近に血痕を見つけてしまった、ガソリンスタンドの女性アルバイト(「グリーンゾーン」)、小麦アレルギー持ちの殺し屋(「内なる殺人者」)、国家権力を敵に回した写真週刊誌の女性編集者(「誰が為の昼食」)。食べるための仕事に従事することで、食べる暇もなくなっている男女を描く、3つの物語。
著者等紹介
羽田圭介[ハダケイスケ]
1985年東京都生まれ。明治大学商学部卒業。2003年「黒冷水」で文藝賞を受賞しデビュー。2015年「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミキベル
18
ちょっと合わなかったなぁ。タイトルからご飯が多くが出てくるかと思ったけど食の話はメインではなかった。車の女性整備士、殺し屋、週刊誌の記者が主人公の3つの仕事の話。なんだか不思議キャラな羽田さんらしい話とも言えるのかも。短編集なのでサクサク読めると思ったら思いのほか時間がかかってしまった。3人が仕事にプライドを持っていたのは好感。2021/12/15
23歳男性
10
どんなに時代が進んでも、効率の悪い仕事の必要性はなくならない。「誰が為の昼食」(P.213)2022/08/24
こばゆみ
10
何かしら「食」に関する短編が3話。でも「食」はおまけで、どれもお仕事小説のような感じ。最初のガソリンスタンドの話は車好きの人にとってはたまらないのでは!?ってくらい、車関係のワードがたくさん。個人的に真ん中のアレルギーの話が一番良かった(^^) というか、アレルギーの話が一番身近(笑)。2021/11/10
陽ちゃん
9
ランチに纏わる話かと思ったら、仕事でランチが5時過ぎになっちゃうハードなお仕事の話が3編。いずれもブラックでは?という感じですが、彼ら自身はそれも含めて「仕事」として受け止めているんでしょうね。2022/01/10
okame
7
短編3篇。帯にあった「それは夕食なのでは?」のツッコミに惹かれて手に取るが、ランチではなく、仕事がメインの小説でした。そしてゆるく3篇は繋がっている。理由は人それぞれだけど、3篇の主人公ともに共通するのは仕事に没頭してランチを食べ損ねていること、そしてなかなかブラックな環境だけれど、仕事にプライドを持っていることかな。自分にはできそうにないので、すごいと思う。どの職業も馴染みのないもので新鮮でした。特に好きなのは「誰が為の昼食」2021/12/21